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Photo by
meiji652
屋台で無性に食べたくなるもの
初詣に行くと、必ずと言っていいほど目にする屋台。
りんご飴、チョコバナナ、たこ焼き、唐揚げ、じゃがバターなど、定番のB級グルメが所狭しと並ぶ光景は日本の風物詩と言えるだろう。
昔はそんな屋台の食べ物に対して、原価を考えたらどれほど高いのだろうとか、衛生的にどうなんだとか思ったものだけど、今となってはどれも無粋な意見だったなと反省している。
実際、自分があの空間で食べたいのは
高級店で贅沢な材料を用いて作られた焼きそばではないから。
プラスチックのパックにぎゅうぎゅうに押し込まれ、さらにその押し込んだ隙間に紅生姜をこれでもかと詰め込み、最終的にとんでもない荒技によってパンパンに閉じられた焼きそばを食べたいがために、わざわざ屋台に並んで買っているのだ。
雰囲気に流されていると言ったらそれまでだが、雰囲気に流されて食べる焼きそばがあんなにも美味しいならば、もう流されるだけ流されていたいと思う。
そして、そんな屋台が立ち並ぶ風景の中で、パンパンの焼きそばを差し置いてでも、どれだけ人が行列を成してようとも、自分には買ってしまうものがある。
それが、ベビーカステラだ。
屋台でしか見かけないし、なんならスーパーで同じものが売ってたとしても手に取ることはないかもしれない。
それでも、屋台で鉄型に流し込まれ、クルクルと回転しながら焼き上げられるベビーカステラの匂いが漂ってくると、無性に食べたくなってしまうのだ。
特に焼きたてのベビーカステラは、とてつもなく美味しい。
子ども向けのお菓子と侮ることなかれ。
そこらへんのパンケーキよりは美味しいかもしれない。
きっとこの文章を読んで、ベビーカステラを食べたくなった人がいるんじゃないかと思うので、近所で屋台が出ていたら寄ってみてはいかが。