ひとり、童貞連句を作る④(第六~八句)
今までの童貞連句は、まとめてこちらに。
前回までの句はこんな感じ。
夏浅し午前八時に巻くひげか 初夏 場
水打つ人の濡らすつま先 三夏 他
跳ね油勢い付いた音聞きて 雑 自
名残茄子から垂れるめんつゆ 仲秋 場
友集い白川夜船二日月 仲秋 自他
ちょっとずつ増えて来ましたね!
それでは、第六句、参りましょう。
熟れぬオリーブ男塩漬け 晩秋 他
実はこの句「恋句」なのですよ。
連句では一巻の中に必ず恋句を入れて、
二句以上続けるというルールがあります。
恋句をつくる際、「恋」「愛」という語や、
「抱き合う」「口づけ」などの直接的な動作に
関する表現を使うのも良いのですが、
恋を暗示する態度やニュアンスでも、
恋句として成立します。
連句の世界では、恋句に認定されるワードが
決まっていて、女優や男優、古典文学作品の登場
人物等を使うと恋句になります(シンデレラ、
小野小町、光源氏、マリリン・モンロー等々)。
また、妻、彼、君、イクメン、女、男、姫、美人
等々、恋愛において使われる一語が入るだけで、
恋句として認められます。
今回「男」を付けたので、第六句は恋句ですね。
第五句では「友集い」という言葉を用いて
句を詠みました。
やっぱり友達が集まったら、その中に好きな人が
居たりするじゃないですか?
そのような、次に恋句を付けたくなるような句を
「恋の呼び出し」と言います。
「オリーブ」は晩秋の季語だそうです。
色んなものに季語ってあるんですよ!
例えば「しゃぶしゃぶ」なんかも
季語になってます。でも夏の季語なんですよ。
何か意外だと思いません?
また、今回初めてカタカナが登場しました。
カタカナについては、二句連続の使用は可能
ですが、打越ができません。
しかし連句はけっこう緩かったりもしますから、
カタカナは、まあ多すぎなければ大丈夫、
という印象ですね。
三句程度挟めば、再度カタカナを使っても
問題ないかと思います。
「オリーブ男」は造語ですけれど、
私、童貞ってオリーブ男だと思うんですよね。
オリーブって青いものと黒いものがあって、
それぞれ味が違って、どちらも美味しいです。
(私はオリーブの実が好物!)
でも、黒いオリーブは決して青いオリーブには
戻らないし、青いうちに収穫されて塩漬けされた
オリーブも、もう黒オリーブと同じ味には
ならないじゃないですか。
そういうのが何だか童貞っぽいな、
と思うのです。
あの美しい緑色も、コロンとした可愛らしい実の
形も、童貞だなぁ~~って、見る度に思います。
「童貞と非童貞」が「青オリーブと黒オリーブ」
くらいの扱いになれば良いのにな。
青いオリーブも黒いオリーブも、
どちらも同じように存在しているもので、
私はこっちが好き!とか、好みはあるけれど、
その好みを責める人って居ないじゃないですか。
それに、黒オリーブを好きな人が、青オリーブは
駄目だとか言ったりしないじゃないですか。
童貞エッセイを書く私が言うのも何ですが、
最終的に、すべての童貞を幸福にするには、
「童貞」という言葉の消滅を願わなければ
ならないでしょうね。
つまり、童貞と非童貞を区別する意味をなくす
こと。そんな世の中になること。
難しいですけどね。
次に移ります。
向かいの君酒もないのに赤み差す 雑 他
秋が三句詠まれましたので、
一旦ここで無季の句を挿入してみました。
青いオリーブと赤い顔という色味のコントラスト
がとか言っておけば、それらしい句に見えます
けれど、これはただ単に私の好む人間を詠んだ
だけです。
あとですね、連句は長句五七五のうち、
最初の五だけは字余りが許容されています。
一度やってみたかったので、この句は
「向かいの君」、六字で余らせてみました。
「向かいの君」って言ってるので、
これはもしかすると「自他半の句」になるかも
しれないのですが(多分そう)、
二つ前の句が自他半なので、
半ば強引にこの句を「他の句」とした次第です。
めちゃくちゃするな。
あれ?
でもこれ他の句にすると、
「そこに自分がいない」ということだから、
「君が顔を赤らめた原因が自分ではない」ことを
示唆していることになるのでは?
NTRじゃん。
連句でもやっちゃったよ、NTR匂わせ。
・・・・・
うあ~~~~(遅効性の鬱)。
ノイローゼになる前に、さくさく行きますよ!
毛布代わりと握るねんねこ 三冬 自
ちょっと甘い雰囲気から一転して、
恋とは全く違う方向性の句にしてみました。
このような句を「恋離れ」と呼んだりします。
「ねんねこ」が三冬の季語で、冬に入りました。
ねんねこは所持していませんが、
十一月にして早くも寒さに震えているので、
自宅では常に厚着をしています。
こたつの電源をいつ付けるか、
悩みどころですね。
もう冬の足音が近づいていますね・・・
今回はここまで。
よし、今日は早めにできた(当社比)。
しかも三つもできた。私ってえらい!
連句の中でも「恋句」というのは
詠んでいて楽しいエリアでした。
連句は想像力の遊びなので、あまり実体験を
詠むのは良くないとされているのですが、
今までの句を振り返ると、バリバリ自分の身に
起こったことを詠んでますね。
いや、恋句になった二句に関しては、
悲しいことに一切経験していないのですけどね。
単に好みがバレるだけです。
句を付けた後、自分がなぜこの言葉を選んだかを
分析しながら整理するの、やってて楽しいです。
やっぱりボキャブラリーが童貞だな、
と、改めて感じましたね。
今日は一日ゆっくりできましたので、明日からも
のんびり楽しくnoteを書いていこうと思います。
さて、あなたも一日お疲れさまです。
明日、お休みできる方も、そうでない方も、
とりあえず明日になれば何とかなりますから、
共にこの長い人生、乗り越えて参りましょうね。
それではまた。
わらさだくりや
童貞連句、その⑤はこちら。
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