ひとり、童貞連句を作る②(脇句、第三句)
前回に続き今回も、自分で作った童貞連句を
眺めてみようと思う。童貞連句初回はこれ。
発句(最初の句)はこんな感じ。
夏浅し午前八時に巻くひげか 初夏 場
この句で何を心がけたか、などについては、
前回の記事を参照していただくとして、
早速、次の句に行こう。
水打つ人の濡らすつま先 三夏 他
これは偶数の句(十二律ではニ・四・六・八・
十・十二)なので、短句(七七)で詠んだ。
短句を書くときは、最初にスペースを
一文字分空けて、長句(五七五)と区別する。
第二の句は「脇句」と呼ばれる。
前回の記事では、連句について
「前の句に引っ付きすぎるのはあまり良くない」
というような説明をした。
しかし、脇句に限っては、むしろ発句から
変化させず、発句に寄り添うように、
同じ時間帯・同じ場所で、
発句の景色に、ふさわしい時候、ありそうな物、
居そうな人、似つかわしい場所を詠む。
この巻は、発句が夏だったので、
夏のまま句を続けている。
これは脇句に限らない話であるが、
連句は「季戻り」ができないことに注意したい。
例えば晩秋の句を詠んだ後に
初秋の句を詠むことはできないし、
仲春の直後に初冬を詠むこともできない。
今回の「三夏」は、夏のどの時期にもかかる
季語なので、初夏の後でも、晩夏の後でも
使用することができる。
脇句では「人」が登場したので「他の句」である。
また、脇句は名詞で留めて詠む。
これは、発句・脇句の世界に
終止符を打つことを意味するそうだ。
なお、短句(七七)は言葉の組み合わせが「四・三」や「二・五」にならないようにするのだが、
「水打つ人の」の辺りはどう考えたって
「四・三」(みずうつ/ひとの)か、そうでなくても
「二・五」(みず/うつひとの)になってしまう。
でも、まあ、ひとりだし、別に良いのだ。
・・・・・次!
跳ね油勢い付いた音聞きて 雑 自
第三の句では、大きく場面を転じる。
気分をがらりと変えて、
発句脇句が室内だったら外の句、
発句脇句が外の句だったら室内へ入る、など。
発句と脇句は外の情景描写だったので、第三句は
水から油とつなげつつ、室内の句にしてみた。
そして、第三句では、句の最後を「に」「て」
「にて」「らん」「もなし」で留める。
この句は、いよいよ連句のスタート!
という宣言をする場なので、
丈高い、つまり格好良い句を詠むことを
心がけると良いらしいが、
いかんせん私は初心者なもので、
そのようなイケイケの句がすぐ出る訳でもなく、
跳ねるや勢いなどの言葉に頼り切った句である。
「雑(ぞう)」は無季の句という意味である。
春秋を詠む際は、必ず三句から五句(通常三句)
続けることが定められているのだが、
夏冬は一句から三句(通常二句)続ければ良いので、
ここで無季の句を挟んでみた。
さらに連句の決まりとして、「自・他・自他・場
の打ち越し」(三連続&一句挟んで同じもの)
が禁じられている。
発句が場の句だったので、場の句をここで
詠むことはできない、という訳だ。
「音聞きて」なので今回は「自の句」となる。
また、「発句と同じ字は一巻を通して使わない」
というルールがあると前回話したが、
発句を除いた他の句に関しては、
三句隔てれば次の句で同字を使えるようになる。
例えば、脇句の「濡らす」という字は、
第六句から使用できる。
ここまでが第三句。
割と特殊な決まりの多い前半だったが、
ここから先は自由度が増すので、
句を詠むのがどんどん楽しくなってくる。
ああ、時間がなくなってしまった。
今日はこの辺で。
ここまでご覧いただき、
ありがとうございました。
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さて、私、最後の挨拶だけは、
どれだけ時間がなくても決して疎かには
したくない、と思っているのですが、
やはり二十四時までに書き切ろうとすると、
ぱぱっと一文で終わらせてしまったりします。
そんな時は、公開した後で、少し付け加えます。
修正しても時間が更新されないのが
noteの特に素晴らしいところですね!
なので、見返すと何か増えてたりするかも。
最近、何だか油断が多いなと思う自分です。
記事を書きながら、
自らを律していこうと思います。
お互いに色々と気を付けましょうね。特に健康。
それではまた。
わらさだくりや
童貞連句、その③はこちら。
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