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ひとり、童貞連句を作る③(第四、五句)

引き続き、ひとりで童貞を想いつつ連句を詠む。

過去と未来の童貞連句はここから。


で、今までの句はこんな感じ。

夏浅し午前八時に巻くひげか  初夏 場

 水打つ人の濡らすつま先   三夏 他

跳ね油勢い付いた音聞きて   雑  自


早速、参ります。

 名残茄子から垂れるめんつゆ  仲秋 場

「名残茄子」って童貞っぽくないですか。
切なくて格好良い。切な格好良い。

秋茄子の呼び方の一つなんですって。

夏の茄子よりひと回り小さいけれど、
美味しさがギュッと詰まっている。

だから、一口茄子とも言うらしい。

これは可愛い。
一口茄子という響きが可愛い。

同じ秋茄子なのに、呼び方でイメージが
ガラッと変わるのが、とても面白いですね。


我が家では、父が家庭菜園をやっていて、
夏から秋にかけて茄子が採れるのですが、
それらを使って、母がよく、茄子の揚げ浸し
作ってくれていました。

現在一人暮らしで、長らく食べていなかったの
ですけれど、つい最近、実家からそれが送られて
来まして。

遠く離れていても家の味がそこにあって、
何だか帰りたくなっちゃいましたね〜〜。

私は寂しがり屋ではないと思うのですけれど、
料理の上手な母でしたから、
胃袋はしっかりと掴まれたままですね。


お腹が空いて来たので、次行きます。

友集い白川夜船二日月  仲秋 自他

実はさっきまで「盆の月」にしていたのですが、
これは初秋の季語だったので、危うく季戻りする
所でした。

「二日月」というのは、
特に陰暦八月二日の月を指すらしい。

西の端に細く光り、日没後、まもなく沈む月。

派手な美しさではないものの、人々は、
ようやく光を帯びた仲秋の月を喜ぶという。

うーむ、童貞っぽいな、二日月。

童貞ボキャブラリーの候補に加えておこう。

いやはや、こうやって新しい言葉に出逢えるの、
本当に楽しいです。連句、面白い。


連句は、初めから終わり(一巻)の間に、
三季か四季、入れなければなりません。

つまり、必ず三回以上は違う季節を詠まないと
いけない
訳ですが、春と秋は三句以上詠むという
ルールがあったりするので、同じ季節をだらだら
続けていると、後で憂き目を見ます。

通常、連句には、必ず第○句で月や花について
詠め、という「定座」が存在しますが、
十二律にはこれがありません。

ただ、必ず、どこかしらで
月の句や花の句を詠みます。

長句(五七五)で詠むのが良いらしい。

そして、秋を詠む際、秋の句が続いている内に
必ず月の句を入れる必要があります。

今回、第五句で、秋の長句が来ましたので、
ここですかさず月を入れました。

月の句のない秋は、
素秋(すあき)と呼ばれ、忌まれます。

前句によって付けにくい(前句で詠まれた描写が
早朝で、次で月に行くのは早いとか)ときは、

心の中で感じたり、想像したりして月を付ける
方法があります。

これを「思いあわせの月」と言います。

思い合わせの月って何だか素敵な響き。

・・・・・

「思いあわせの童貞」・・・良い!

私はいつも、心で感じた童貞を詠んでますので。


ところで、「白川夜船(しらかわよふね)」
格好良くないですか。この言葉の意味は、

熟睡していて何も知らないこと。
何も気がつかないほどよく寝入っているさま。

だそうです。

こんなの俳句とか連句とかでないと
使わないですよ。

あ、吉本ばななさんがこれをタイトルにして
本を書かれていたそうですが。

秋の夜長、友達とはしゃいで、
最後は皆、泥のように眠る。

修学旅行とかもそんな感じでした。恋話やらを
話している内に、意識が飛んで行くんですよね。

このご時世、そういう体験が減っていくのかなと
思うと、ちょっと寂しいなぁ。

でも、新しい時代には、
新しい思い出が生まれますよね。きっと。


ハッ!

二十三時五十五分!!

今日はここまで。

noteを書いていると、
いつも時間が早く過ぎてしまいます。

最近本当にギリギリなので、気を付けたい・・・


早め早めが良いって頭では分かっていても、
実行できるかは別ですよね。

人間って弱いものですけれど、

「昨日はできなかったことが、一つできた」

と言えるような、明日を過ごせたら良いですね。

すっかり冷え込んで参りましたから、
お身体には十分、お気をつけて。

それではまた。


わらさだくりや


童貞連句、その④はこちら。


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