仲間内での治療

昔、職場の30歳代女性理学療法士が右首の前面を押さえながら、とても辛そうな顔をしていた。
そこが痛くて、右手も痺れてるという。

「あらー、モーリーテスト陽性やね。胸郭出口症候群か…」

少し診ると頚椎1番と頚椎7番にサブラクセーション、右胸鎖関節に前方から後方への可動制限と上方から下方への可動制限があり、胸鎖乳突筋に活性化されたトリガーポイントがある。そして右小胸筋、右鎖骨下筋の筋力弱化と過緊張、右前鋸筋に過緊張が見られる。
アドソンテストは陰性だが、変法なら陽性となる。

そこへ40歳代男性作業療法士(OT)が、「最近俺もなんか五十肩みたいなんですよ~」と言ってきた。笑笑

ここで彼は、2つの間違いを犯した!
まず30歳代女性に対して「俺も五十肩…」50という発言で、この女性からヒンシュクを買う。
そして五十肩ではない…

続けて彼は「肩痛いんですよ~」と。

俺 : 「肩関節に可動制限がないから、五十肩ではないね」

40代OT ; 「五十肩って可動制限が条件なんですか?」

俺 ; 「そう。原因不明の痛みと可動制限があること」

40代OT ; 「じゃあ何でしょうね?」

俺 ; 「考えられるのは、使いすぎで腱板が腫れてインピンジメント起こしてるか、上腕骨頭が前方に変位してるかかな」

診てみると骨頭の前方変位だった。
少し操作するとポクッと元の位置に戻って彼は「わっ!」と言って驚いた。

その横で20歳代理学療法士(PT)が、肩をさすっている。
「腱板断裂ってどんな感じなんですか?」と聞いてきた。

俺 ; 「自動的な可動域制限はあるけど、他動的には可動域制限はない。部分断裂なら代償動作が入りながら、自動可動域も何とか動く。それと動かした時に軋轢音がなるねん」

そして彼の肩を触ると軋轢音がある!

俺 ; 「あっ、これこれ!軋轢音あるやん!」

本人ももちろん、30歳代女性理学療法士、40歳代男性作業療法士も軋轢音のある肩を触りにきた。

20代PT ; 「肩がめちゃくちゃ痛かった時期とか無いんですけどね…」

彼はバドミントン、軟式テニスと2つもラケットスポーツをやっており、今もまだやっている。

俺 ; 「気付かないようなマイクロトラウマ(微小な外傷)が積み重なってんだろうね。今は痛くないだろうけど、さらにマイクロトラウマが積み重なると、いつか痛みが爆発するかもね」

職場でのある日の昼休みのやり取りでした。

PS
30歳代女性理学療法士には、第1頚椎と第7頚椎のアジャストメント。右胸鎖関節のモビリゼーションを行った。
右胸鎖乳突筋のトリガーポイントへのアプローチ方法、右小胸筋の過緊張へのアプローチ方法を自分で出来るように教えた。
翌日スッキリしました!と明るい表情で出勤してきた。

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