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椎間板障害の施術について
椎間板障害3
治療について
椎間板障害の治療は、前にも言ったけど椎間板の傷だから揉んでも叩いても伸ばしてもダメなんですよ。
指の関節のところに“しもやけ”や“あかぎれ”があると考えてみてください。“しもやけ”なら、指がパンパンに腫れてるから曲げるとはち切れそうに痛いですよね。これが椎間板膨隆に似た状況です。“あかぎれ”なら指を曲げると傷が開いて痛いですよね?
治そうと思えば安静にすることです。例えばどこでもいいですが、手術して縫っても10日もあれば傷が塞がって抜糸出来ます。
椎間板の場合は実験によると21日で修復されますから、その間動かず安静にしてれば治ります。
しかしことはそう簡単ではなくて、臨床的には日常生活を送りながらだと約500日かかると言われます。
さぁ!堂々と1年半は通ってもらいましょう!(笑)
とは言っても、俺の場合はだいたい10日で終わります。
初回に診て、10日後に診てだいたい終わりです。伸びても5日~1週間程度、都合3回の治療で終わります。
どうやるか?
腰椎コルセットを腰部に前後にガッチリ10日固定して、傷が塞がったと検査で判断出来たら、椎間関節の固着をアジャストして終わりです。
傷が塞がってないと判断すれば、固定期間を上記のように延長して同じことを行います。
検査はディスクテストという整形学検査で判断します。
治療家としてはこれで良いです。
経営者としては、これでは儲かりませんね。椎間板障害の治療は単価を上げるかしないとね(๑•̀ᴗ- )✩
ここで椎間板の流体としての考え方に、真逆の説がある事を紹介しておきます。
カパンディの考えとパンジャビーの考えです。
腰を曲げると椎間板は前が狭く後ろが広い楔型になります。
カパンディの考えは、髄核が幅広くなる後方へ移動し、線維輪を傷めるというものです。
一方パンジャビーの考えは、広がった椎間板の後方は線維輪がタイトになり、髄核はタイトな後方の線維輪に跳ね返され、前方に移動するという考えです。
リハビリの現場では、カパンディの考えに基づくマッケンジーのエクササイズとパンジャビーの考えに基づくウィリアムズエクササイズがあります。
日本の整形外科医のオーダーは、ウィリアムズエクササイズが多いです。
どちらが良いのか?
正解はわかりませんが、45歳より若い層にはマッケンジー、それより上の世代にはウィリアムズとだいたい使い分けます。
なぜ高齢の患者にウィリアムズを選択するかと言うと、高齢になれば椎間板の高さが減少して、マッケンジーの特徴的なエクササイズである伸展により、椎間孔の直径が減少し、神経根への圧迫の割合の方が高まるからです。
さてウィリアムズは背部、臀部、ハムストリング、ふくらはぎなど体の後面を柔軟にして体の前面(特に腹筋群)を鍛えます。まぁ簡単な運動です。
マッケンジーも簡単に紹介します。ニュージーランドの理学療法士が患者自身が自分で行うために考案したものです。
痛みのない範囲で行います。
腰部(体幹)の伸展を行います。基本これだけです。状況によっては側屈もありますが、基本は伸展させるだけです。
1分に10回×2を1クールとする。
1日に4クール行う。2時間は空けてやること。まとめて4クールやっても意味はない。
1日3クールで現状維持、4クール以上で回復を見込める。しかし8クール以上はやらない。
2ヶ月くらいで痛みは引いてくるはず。
1週間に1回を2週(2回)
2週間に1回を2週(2回)
3週間に1回を2週(2回)
約5回で良くなる。10回を超えることは少ない。
もっと細かく知りたければマッケンジー協会かわありますので、そちらで学ぶことをオススメします。(本音はあまり奨めません)
コルセットを使った治療、マッケンジーなどのリハビリ、これらをマネージメントしていくことがそれぞれの治療院の腕の見せどころとなるのではないでしょうか?