今年最初の染めは蕗の薹(フキノトウ)
冬の間雪の重みで固まった落ち葉を突き破って出てくる柔らかい緑は半年間白一色だった私達の目にはとても鮮やかで
採りたい食べたいと思うのはもちろんのこと
染めたいと思うのも本能的な感覚なのではないだろうか
経験上
食べて美味しいくらいの芽吹きの頃に採取すると少し緑に近い黄色に染まり
トウが完全に立つ頃に採取するとより黄色味が増す
今回はその中間、花の咲き始めの頃のものを採取した
ふきのとうの花は甘く良い香りがする
煮出した時の苦味の伴う香りは心地良く 外で何を吸い込んだか止まらなかったクシャミ鼻水も落ち着いた
雪の溶け切らない頃の山の中では 福寿草やヤチブキの鮮やかな黄色い花が目立つ
黄色は春の色だと思う
染めたのは群馬県で生産されている座繰り糸(蚕絲館さん)
葛の糸もそれなりに染まるがあまりパッとしないので染める意味があまりないと判断、糸に無駄な負担をかけないためにも数年前から染めていない
絹糸は鮮やかな黄色に染まり年数が経ってもほとんど退色しない
アルミ媒染
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