〈染めた葛の糸について〉
葛の糸は質感も光沢も生成りがやはり一番綺麗だと思いますが 染めると光沢が失われるかというとそんな事はなく、元々の繊維の状態が良ければ染めても光沢美しい糸となり布となります
とはいっても 染める時には特殊な場合を除いて大抵は媒染剤を使う その多くはアルカリか酸なので糸には必ず影響を与え風合いは少し変わります ですからやはり生成りが最も葛らしい、葛の糸の表情が良く出るのは生成り ということになる
その堂々巡りの渦巻きの中で 私なりの理屈で、もしくはご依頼主さまのご意向をもとに、生成りと染め糸のボリュームとバランスを決めていきます
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