球体
最近TV番組で見た話
お寺の住職が企画した地元の戦中資料の展示
口のついた陶製の球体を見せて
何と思うかと問う
「一輪挿しか何かのよう」と取材者は答え
住職も「お酒も入れられそう」といい
実は陶製手榴弾だという
金属の不足した太平洋戦争末期
全国の陶磁器産地で
陶製の地雷や手榴弾が作られたとか
威力は金属より劣ったという
「やっぱりねぇ、身内が攻撃されたりしたら、
(戦いに)行ったるわ!!!ってなるんですよ。」
とは、戦中に子どもだった人から聞いた話
最近読んだ本によると
ヒトは自らを家畜化した生き物で
オキシトシンという愛情ホルモンが
友人に対する愛情を高める一方で
見知らぬヒトに対する嫌悪を強めるとか
友好的なふつうのヒトを
残酷に駆り立ててるのは
身内への愛情・友情と表裏一体
現代の軍隊ではそこに洗脳による
“作り出された”敵への軽蔑が加えられ
殺傷を促された多くの兵士が
PTSDを負って帰還することとなった
さらに遠隔攻撃は
地獄を目の当たりにすることなく地獄をつくる
自己家畜化により生まれつきは
頭に花の咲いたような生き物であるヒトは
その口のついた陶製の球体が
花入れにしか見えなかったように
花でも飾りお互いの心を和ませ
酒でも入れて酌み交わし
お茶でも入れて人類皆兄弟になる方に
フォーカスする方が自然なのだ
“作り出された”敵に心を囚われるよりも
100歳をこえた千玄室さんは元特攻隊で
出撃する仲間にお茶を立てた
生きて帰ってこられて
世界中でお茶を立ててこられたのは
強い平和への願いを体現されたことと思う
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