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久世物語⑨【成長期】顧客満足向上への取り組み
2024年、当社は創業90周年を迎えます。
語呂合わせで『クゼ』と、まさに久世の年。
90年という長い歴史の中には創業者や諸先輩の苦労や血の滲むような努力があります。
どのような思いが受け継がれてきたのか、私たちがどんな会社なのか。
「久世物語」をお届けいたします。
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【第9回】顧客満足向上への取り組み
首都圏営業体制の拡充
顧客満足向上の施策として、メニュー提案力とともに重視されたのが営業・物流体制である。
1977(昭和52)年、久世は初の営業所となる神奈川営業所を開設し、横浜エリアの営業強化と配送昨日の拡充を図った。会社はまさに急成長を遂げている時期である。物流システムはまだまだ発展途上であったが、会社は活気に満ちていた。
早朝から倉庫より商品を出して配送トラックに皆で積込み作業を行った。営業担当者も作業を手伝い、どの商品がどんな状態で入荷し、店舗へ運び込まれるかを実地で学んだ。
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やがて、これらの取引先が急速な成長を遂げ、いち営業所単位での対応は困難となる。大手取引先も徐々に増え、ついに1986(昭和61)年に千葉地区の営業と物流強化のため、配送機能も併設された千葉営業所が開設された。
これを機に配送効率は大幅に向上する。
翌年の1987(昭和62)年には、首都圏全域での配送ネットワークを確立するため、埼玉営業所、多摩営業所が開設された。
同時に、関西で初の営業拠点となる大阪営業所もつくられた。
それぞれの営業所は10人ほどの営業所員が配置され、「業務用食品卸が同時に三カ所の営業所を開設するのは珍しい」と業界でも話題になった。
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関西・東海地区への進出
これまで首都圏を中心に営業展開してきた久世が、東海地区進出への足掛かりとしたのが、1994(平成6)年に開設された名古屋営業所である。
東京、神奈川、千葉、埼玉、多摩、京浜に次ぐ、7カ所目の拠点である。
名古屋へ出店するお客様から、東京と同じように営業と商品のデリバリーをして欲しいと要望され、検討を重ねたうえでの決断となった。
前年に京浜営業所を開設し、地域に密着した営業活動によって業績を向上させた成果も、東海地区進出の後押しをした。
1997(平成9)年には大阪府茨木市に関西営業所が開設されるが、関西圏への進出は二度目の再挑戦であった。
10年前の関西進出では、取引先の要望でフォアグラやキャビアなどの高級食材に絞ったため、幅広い顧客の開拓が難しく3年ほどで撤退していた。
一度目のステップがあったからこそ、次のジャンプができる。
かつての経験と地盤を生かし、関西営業所は開設当初から好業績を収めた。そして、この頃に久世の売上は200億円を突破する。
配送品質の向上
関西営業所の開設と時を同じくして、浦和配送センターが立ち上がる。1999(平成11)年には、品質管理の徹底と保管設備の統合、配送効率の向上を図るため、埼玉県戸田市に「首都圏DC(ディストリビューションセンター)」を開設し、本社の配送センターと埼玉営業所の物流機能を統合した。
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やがて2001(平成13)年には、横浜に「首都圏南DC」を開設し、浦和配送センターの機能を統合する。
首都圏DC(後に戸田DCに改称)は個店向けの物流センター、首都圏南DC(後に横浜DCに改称)はチェーン向けの配送センターと役割を分担し、物流の基幹システムも現在のベースとなるものへと大幅にリニューアルされた。
さらに、これまでは取引先が全国に店舗を持つチェーンであっても、配送センターのある地域しか対応できなかったが、DCの統廃合による機能拡大により、「自社運営倉庫」「業務委託倉庫」「外部倉庫」の3つを使い分けてほぼ全国の物流をカバーできるようになった。
こうして、商品の入荷に合わせて配送していたこれまでの物流体制から、即時対応の物流体制が整い始めた。全国の配送拠点の構築はまた、より地域に密着した提案型営業の実現にも大いに貢献した。
(次回につづく)