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12・25原子力規制委会見

 北海道電力が再稼働を目指す泊原発3号機について、原子力規制委員会の山中伸介委員長は2024年12月25日(水)に開かれた定例会見で、審査は終盤にきているが最終的な決定までには「まだしばらく時間的にかかるのかなと思います」と述べた。
 これまで審査が11年半と長期になっている点について、山中委員長はプラントに関しては防潮堤の問題等があったもののその審査は長期にわたったとは思わないが、地震、津波関係に「非常に時間を要した」という。
 山中委員長が考える今年最大の事象は能登半島地震だという。「やはり日本全国どこでも大きな自然災害が起こる可能性があるし、自然災害に対する防災、備えをきちんとしておくべきだと非常に大きく感じたところです。今年一年で最も大きな事柄だと思います」。

事業者には海岸隆起への対応を指示
 今年元旦の能登半島地震によって北陸電力志賀原発(福井県)で変圧器が故障し外部電源が失われ、また海域活断層の評価も課題として浮上した。
 山中委員長は「敷地内断層についての結論は、前任の石渡(明)委員に出してもらった結論から変わることはないと・・・判断しています。敷地周辺の断層についてはまだこれから審査していかなければならない。基準地震動、津波などの影響についてはまだこれからだと思っています」と述べた。
 そのうえでプラントの審査に入っていくが「これまたかなり先の話になると思います」と山中委員長は話した。
 「一番即座に他の事業者にも展開をお願いしたい点は、海岸部分の隆起が非常に大きかったので、各事業者で、想定外の隆起が仮に起こっても対応出来るような手順、設備を備えるようにと指示を出したところです」。

燃料デブリの総量は880トンより多い?
 東京電力福島第一原発に残る燃料デブリの総量に関する質問もあった。東電はデブリ総量を福島第一原発1~3号機で880トンと推計したのはIRID(国際廃炉研究開発機構)なので、東電自身では分からなく、IRIDに問い合わせるようにと記者に返答したという。
 これに対して山中委員長は「デブリ総量についてはおおむね1000トンぐらいだろうなと理解しています。東電も量を答えてほしいと思います。今後デブリの分布を理解したうえで取り出していく必要があるし、総量についてもこれから変わる可能性があると考えています」という。
 今年秋に東電はデブリの試験的取り出しを開始し、幾度かのトラブルの後、第一弾として0.7グラムのデブリを採取したところ。
 まずはデブリの分布を調べ、成分についての分析を進める考え。ただ、すべてのデブリを取り出すのか、取り出したデブリは高放射線を発するため危険だが、それをどうするのかについてははっきりしていない。
 

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