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2・5原子力規制委会見

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)7号機でこの半年で緊急連絡用衛星電話などの通信設備で不具合が計4回生じたことについて、原子力規制委員会の山中委員長は検査区分の変更そして追加検査を行うことは委員会の議論によるとしたものの、「個人的にはやむを得ないところだと考えている」と2025年2月5日(水)の定例会見で述べた。
 1年間で4回不具合が生じると検査区分の変更検討しないといけない決まりになっており、そういう状態になったとの認識だ。
 「同一の事象が短期間で、アンテナや本体だったりするけれども、それらの原因をきちんと(東電に)調べて頂かないといけない・・・好ましいことだとは思っていない」と山中委員長。
 ただ、地元の新潟日報の記者から「追加検査が再稼働に影響を与えるのか」と問われて、山中委員長は「起動出来るかどうかということでいえば起動できます。検査をしていても法律上は起動できます」と答えた。

東海第二原発で頻発する火災
 また、同2月4日、日本原子力発電の東海第二原発(茨城県東海村)の中央制御室内で火災があり、これは2023年度以降では6件目の火災。同原発は運転停止中で、火はすぐに消し止められたという。
 山中委員長は次のように述べたー「火災が起こったところが中央制御室という原子炉の非常に重要な施設であり、私は重要視しています。原因について事業者が報告することになるが、私は深刻に捉えているところです・・・ここ一、二年で火災が非常に多いプラントで今回の件も(過去の事案と)ともに検討していきたいと考えています」。
 東海第二原発が46年目の原発ということで経年劣化の観点からの点検はどうなのかとの質問があり、山中委員長は「なぜこのサイトでこんなに火災が多いのか考えなければいけないと思っています」と話した。

地盤に問題がある場合の使用済み核燃料貯蔵
 さらに、この日の同委員会では、東北電力女川原発(宮城県)と関西電力高浜原発(福井県)での輸送・貯蔵兼用乾式キャスクという金属製容器を用いた使用済み核燃料貯蔵施設の設置に関する原子炉設置変更許可申請の審査方針が了承された。
 これらは「変異の生じる危険が多い地盤に設置しない」とされているが、女川原発、高浜原発もさらには今回は対象ではないが関西電力大飯原発(福井県)も地盤の頑健性に疑問があるのではとの指摘が記者からあった。
 山中委員長は「非常に大きな地震動であっても、どこのサイトでもその頑健性が有効に働くキャスクを委員会で提案させていただいた。そのようなキャスクを用いれば地盤が十分なものでなかったとしてもキャスクの中の燃料は守られる、そういうことをすでに議論したところです」という。
 さらに、「大飯原子力発電所についてのサイト特有の問題は、例えばキャスクが移動して施設に悪影響を与えないかなどきちんと見ないといけないと認識しています」と話した。

ロシアが東海第二原発を攻撃対象にリストアップ
 英フィナンシャル・タイムスが昨年末、ロシアが日韓の攻撃対象をリスト化しており、その中に東海第二原発を含む日本の原発が含まれていると報じたが、山中委員長は「ロシアの件、私はまったく承知していないし、まったく存じ上げないのでコメントできません」と話した。
 事務方によると、原発に対する武力攻撃に関しては法律で国が対応することになっており、同委員会で規制的に対応することは考えていないという。
 攻撃を受けた場合の原発の状況のシミュレーションをしたことがあるかとの質問に対しては「したことがない」と山中委員長は述べた。
 

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