「ベル・エポック」展
19世紀末から1914年頃までのパリが芸術的にもっとも華やいだ時代「ベル・エポック」。
ベル・エポック期から1930年代に至る時代の美術、工芸、舞台、文学、モード、科学といったさまざまなジャンルで花開いた文化のありようを重層的に紹介する展覧会「ベル・エポックー美しき時代 パリに集った芸術家たち」がパナソニック汐留美術館で12月15日(日)まで開催中だ。
本展では、当時描かれた絵画のみならず、当時のブルジョア階級の女性や子どもたちが身にまとった衣装や装身具、ガレやラリックの工芸作品、シャルル・ボードレールやポール・ヴァルレーヌの初版本や、マルセル・プルーストの自筆書き込み校正刷などが並んでいる。
ベル・エポック期、パリでは大小の劇場が多数登場し、賑わいを見せた。演目を紹介するポスターはしばしば、シェレやロートレック、スタンランといった芸術家たちによって描かれ、パリの街路を鮮やかに彩った。本展ではこうしたポスターも展示し、当時のパリの雰囲気を伝えている。
この時代のパリでは、社会的自立を目指す女性が登場した。本展では、物理学者マリー・キュリー、画家のモデルを務め、自身も女流画家として活躍したシュザンヌ・ヴァラドソ、伝説的な舞台女優サラ・ベルナールといった、さまざまな分野で頭角を現した女性たちを紹介している。
また、女性の活躍とともに発展した女性のファッションや装飾美術にも注目している。
展示の中核を担うのはデイヴィッド・Eワイズマン氏とジャクリーヌ・Eマイケル氏の絵画コレクションで、往時のモンマルトルの世相を色濃く反映した珠玉の作品群である。同コレクションは本邦初公開だ。
「ベル・エポック -美しき時代 パリに集った芸術家たち ワイズマン&マイケルコレクションを中心に」
2024年10月5日(土)~12月15日(日)
開館時間は午前10時から午後6時(入館は午後5時半まで)。11月1日(金)、22日(金)、29日(金)、12月6日(金)、13日(金)、14日(土)は午後8時まで開館(入館は午後7時半まで)。
休館日は水曜日(ただし12月11日は開館)。
入館料は一般1200円、65歳以上1100円、大学生・高校生700円、中学生以下無料。
土曜日、日曜日、祝日は日時指定予約(平日は予約不要)。
写真:パナソニック汐留美術館提供(撮影:Yukie Mikawa)