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「熊谷守一と旅」を観よう!

 画家・熊谷守一(1880-1977)。
 Wikipediaなどによると、日本美術史においてフォービスムの画家と位置付けられているが、作風は変化し、「熊谷様式」とも呼ばれる、鮮やかな色彩と単純化されたモチーフ、明瞭な輪郭をもった独自の画風を完成させた。
 富裕層の出身だが、極度の芸術家気質で貧乏生活を送り、二科展に出品を続け「画壇の仙人」といわれた。勲三等、文化勲章を辞退した。
 その熊谷守一が亡くなるまで45年間暮らした家の跡地に小さな美術館「豊島区立熊谷守一美術館」(東京都豊島区千早2-27-6)がある。
 特別企画展「熊谷守一美術館39周年展 守一、旅を描く。」が2024年4月16日(火)から6月30日(日)まで開催される。
 本展では、熊谷守一の故郷、岐阜県中津川市付知町の「熊谷守一つけち記念館」から油彩作品19点、関連資料1点を借りて、守一と「旅」をテーマに、同館所蔵・寄託作品とあわせて計およそ100点を展示する。

熊谷守一ポートレート/撮影年不詳/豊島区立熊谷守一美術館 
「伊豆堂ヶ島」1939(昭和14)年 板・油彩 熊谷守一つけち記念館蔵


 熊谷守一は晩年、自宅と庭からほとんど外出せずに作品を制作し、植物や虫など、ごく身近なモチーフを描いたことで知られている。しかし、守一は、70歳を超える頃まで日本の様々な土地へ旅をして、各地で出会った風景を題材に作品を描いた。

「開田村」1962(昭和37)年 板・油彩 熊谷守一つけち記念館蔵


 東京美術学校在学時には夏休みを利用して徒歩でのスケッチ旅行に出かけ、卒業後は樺太調査団の絵描きとしてその地の風物の写生を仕事とした。
 昭和初期、二科技塾で指導していた頃は、塾生とともに写生旅行に出かけることもしばしばで、戦後もそうした仲間とスケッチ旅行に出かけていた。

 「御嶽」1953(昭和28)年 板・油彩 熊谷守一つけち記念館蔵
 「秋元湖」1957(昭和32)年 板・油彩 熊谷守一つけち記念館蔵
「風景(蓼科高原大池)」1948(昭和23)年頃 板・油彩 熊谷守一つけち記念館蔵


 そして76歳の春、脳卒中の発作を起こし自宅に籠るようになったが、かつての旅先の風景を描いたスケッチや作品をもとに再制作を重ねていた。
 長い画業のなかで、熊谷守一の創作の源泉となり続けた旅先での風景。そんな熊谷守一と「旅」をめぐる作品が紹介される。
 開館時間は午前10時半から午後5時半(最終入館は閉館の30分前まで)。休館日は毎週月曜日(祝日問わず)。会期前後に臨時休館ありー会期前:4月1日(月)~15日(月)、会期後:7月1日(月)~22日(月)。観覧料は一般700円、高・大学生300円、小・中学生100円、小学生未満無料。豊島区在勤・在住の証明を提示すれば一般の人は600円で観覧出来る。
 美術館の公式サイトは http://kumagai-morikazu.jp/


 


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