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横尾忠則銀座番外地

 今回は、結果ではなくてプロセスを楽しむという趣旨らしい。
 企画展「横尾忠則 銀座番外地」が開催されているギンザ・グラフィック・ギャラリー(egg:東京都中央区銀座7-7-2DNP銀座ビル)を2023年5月31日(水)の朝一番訪れた。ゆっくりと鑑賞出来た。
 およそ3か月前、横尾さんは日本芸術院に新設された「建築・デザイン」分野の会員に選ばれた。主な理由は「文学、演劇、音楽、映画、ファッション等、様々な分野に活動の場を拡げた43年前のデザイン」だったが、同展ではそこに焦点を当てている。ただその対象は完成品ではない。
 代わりに、作品を構成するラフスケッチ、アイデアノート、デッサン。表現エレメントとしてのドローイング、原画、コラージュ。版画やポスターを仕上げるための版下、色指定紙などが紹介されている。

 「宇宙にはいくつものブラックホールが発見されているが、超高密度な重力を持つ宇宙空間組織は、物質も光すらも吸収して脱出することが出来ない、完全冥界のような「強力磁場」。「ブラックホール」こそ「宇宙番外地」なのだ。なかでも最新のブラックホールといえば「ヨコオ・ブラックホール群」だろう」。
 「それは横尾氏が「ぼくのブラックホール」と呼ぶ、横尾忠則現代美術館に収蔵された80数個の段ボール箱を移送したことから始まる・・・膨大な完成作品前の、表現プロセスの里程標ともいえる証拠物件(evidence)「ブラックホール群」であった。この「宇宙番外地ーBlack Holes」が銀座のある地点(egg)を「番外地」化してしまったのだ」。

会場の階段にある「ブラックホール」

 スケッチや原画、版下等が並ぶ展示空間は、横尾さんの手のぬくもりを感じさせ、見る人に頭ではなく肉体的体験を約束する。それはブラックホールのように、今まで見えなかった横尾さんの想像空間に引き込み、吸収し、消失してしまうような、「無」の境地に誘う。

地下1階の展示室

 いまだ生成し活動し続ける横尾さんの超私的ブラックホール。その渦中「番外の地」に迷い込んでしまえば、横尾さんの表現の原点・原郷に到達、遭遇出来るかもしれない。
 展覧会は6月30日(金)まで開催。時間は午前10時から午後7時まで。休館日は日曜日と祝日。入場料は無料。

有名なグリコのポスターの前段階です
高橋幸宏さんでしょうか
ビートルズですね
岡本太郎や美空ひばり
雑誌表紙など
石原慎太郎ら
横尾忠則自身
幽体離脱?
横尾さんは一時期滝に凝っていました
横尾さんは滝にこだわりました
ギンジイトウとありますが「伊藤銀次」?

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