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藤堂 空翠
2016年2月4日 12:40
彼女は驚くほど体力がない。ほんの少し階段を上っただけでも息が切れるし、洗濯機を四、五回まわしただけで腕が筋肉痛になる。 今日は休日だったので二人で買い物に出かけた。とはいっても食材ばかりなのだけれど。 店からの帰り道、隣を歩いていた彼女がその速度を緩めていく。表情はほぼ無に等しい。「重い」 そう呟いた彼女は荷物を差し出す。僕は持っていた分を片手にまとめ、彼女の荷物を受け取った。 深刻そ
2016年2月5日 12:45
帰り支度を済ませ彼女へいつも通りの連絡をする。駅へ向かいながら何度も確認するが、一向に返信は来ない。夕飯を買うべきか相談する為、電車に乗っている間に連絡を取りたいのに。 数分置きに何度もスタンプを送っていると、家の最寄り駅へ着いてしまった。改札を出てから電話をかけるも、呼び出し音は途切れない。呼び出しとリングオフを繰り返しながら家路を辿り、あっという間にマンションに着いてしまった。 リビング