独白

はじめに、これは内省であることを留意してほしい。

 母との関係で悩んでいる。私と母は家族として愛し合っていると思う。しかし、いつまでこうもベタベタした関係でいられるのだろうか?毎日ハグしあうたびに疑問が湧き出て不安な気持ちになる。私たちが、「愛」だと思っているのは「執着」ではないか?私たちがしているのは”家族”ではなく、もっと不安定な、まるで依存しあった恋人のような、何かではないか?と思わざるを得ない。母がどういう気持ちで私を抱きしめているのかは知らないが、少なくとも私は満たしたそばから零れてしまうみたいな、手で水を掬ったような気持ちになるのだ。母はよく私や兄に対して「ママの○○」と言うけれど、本当にそうなのか?娘や息子である前に「自分自身の自分」なのではないか?と疑念を抱いてしまう。もちろん、その言葉にそんな重みなどないと頭ではわかっている。 

しかし、母がその言葉を口にするたびに私は妙な気持ちになる。執着の表れではないかと心配になる。
 私がこの世で最も恐れているうちの一つに『依存』がある。それはとても暗くて深くて怖いイメージだ。少し前まで、私と母は依存しあっていた。一旦物理的に距離を置いて落ち着いたかのように見えた。けれど、私は今の関係に満足していないのだと思う。母はコロナウイルスが心配で、出かけるたびに何処にいくか私に尋ねる。尋ねることそれ自体は嫌ではないが、もし拒否されたらどうすればいいか考えるととても悲しくてたまらない気持ちになる。まるで、自我というパズルがボロボロになって崩壊していくような感じだ。私は、私の行動や考えが母に否定されるのを恐れているのだ。なんでこんな風になってしまうのかわからない。でもきっと、私は判断の正しさを母に委ねているのだ。自分の正しさに自信を持たなければ、いつまでもこのままなのは明白だ。私は自分に責任をもって、自分の心に忠実でありたい。行きたいところに行けないととても憂鬱な気持ちになる。塞ぎこんでしまう。だから、私は私の行きたいところに行くし、もしそれで罹患してしまっても運命なのだと諦める。それで家族が罹患してしまったら……もうどうしようもないが。