コラム3 わたしは小説の書き方なんか何にもわかってなかった
こんにちは。九灯兄妹の妹のほう、小膳です。
自分は小説の書き方なんか全部わかってる、もう学ぶことなんかない……というトンチキな勘違いをしていたわたしの痛い過去について語ります。
BL小説を書いて初めて気付いたこと
第1回と重複しますが、以前のわたしはまずストーリーを作り、そこにキャラクターを当てはめていました。
先に台本を作ってから、そこに俳優を置くという書き方です。
これらをネットで公開しても反応は良くありません。
特に多く言われたのが「主人公に感情移入できない」「動機が何かわからない」と。
わたしはストーリーの出来が悪いのだと思って練り直しましたが、やはり同じような感想ばかりが付きます。
これは本当に悩みました。
突破口となったのはBL小説を書き始めたことです。
BLの世界は常に「誰かが誰かを大好き」で成り立っています。
主人公を含むキャラクターはすべて「大好きな人」のために一直線で行動し、それによって物語が進みます。
BLというのは例外なしにすべてが(それがどんなにイビツな愛であっても)恋人たちの物語なわけですから、主人公は必ず「大好きな人」のために行動するわけです。
そしてその「大好きな人のためにする行動」がストーリーになるんです。
わたしのように「ストーリーを作ってキャラクターをそこに当てはめる」というのはまったく逆で見当違いの方法だったわけですね。
まずキャラクターありき、なんです。
自分の書き方が間違っていたと認められるかどうか
上記のことは多数読んだ小説技法の本で語られていたはずなんですけれど、わたしは自分の書き方に固執するあまり頭に入っていなかったようです。
自分のやり方が間違っていたことを認めるのって、本当に難しい!
最初から自分はそうだとわかっていれば、もっと早くこの答えにたどり着いていたはずです。
えらく長い回り道をしてしまいましたが、わたしもやっと初歩の初歩ともいえる場所にたどり着けた思いです。
何もかもみんなBLのおかげです。
ありがとうBL! ありがとう偉大なる先人たち!
(夜空に浮かぶ腐女子の先輩方の顔)
(小膳)