(参考図書)「スーパーエンジニア」とは何か ~「スーパーマン願望」は捨てる
こんにちは。楠浦です。
現状、様々な方に参加していただいている
「企業内発明塾」
ですが、僕は当初
「元気がある技術者」
を育て、新製品や新規事業の企画とともに羽ばたいて行く場、として、構想してきました。その証拠に、弊社の初期の名刺には、
「XXX エンジニアのための XXX」(XXX 部は割愛)
と書いていました。
しかし、エンジニアという言葉が、しっくりこなかったので、やめました。
(技術者、技術屋、という言葉が、僕のイメージです)
これからも、
「新しいことを興したい」
方には、所属や専門を問わず参加いただけるようにしつつも、
「技術者の方に、もっと元気になっていただく」
場として、テコ入れしていきたいと考えております。
● 「スーパーマン願望」を捨てる
人材育成について相談を受ける機会は数知れず・・・なのですが、過去、ご相談内容に違和感を感じることも多々ありました。
以下の説明会でいつもお話している内容ですね。
その一つは、
「スーパーマン願望」
が強すぎる、ということです。
「専門分野ではダントツ」
「複数の技術分野に明るい」
「数字(経営の話ですね)に強い」
「契約交渉ができる」
えー、その人、年収いくらですか?(笑
笑い事ではなく、僕も、前職時代はそういう人材がいれば楽ですね、と考えて、育てようと工夫したこともあります。
かなりの難行でした。
あと、育てようとした当時のインド人部下の一人には
「それ出来るようになったら、いくらもらえますか」
「研究所長に、してもらえますか」
と言われました。
そして、そこを目指す条件として、当時の僕の年収の
「XX倍」
を要求されました。
会社が数ヶ月で潰れる金額でした(笑
いろいろ、当然ですね(笑
まぁ、当時は、経営者としてその程度のリテラシーしかなかったということです。アホでしたね。スーパーマン願望は身を亡ぼす、ということです。
● 「発明塾」は「結果が出れば人は育つ」と「Jazzコンボ型」の運営に
学生さん向けの発明塾を始めて、その考えを捨てました。
「結果が出ればよい」
「結果が出れば、人は育つ」
「その人に向いたフェーズで、リーダーシップを発揮してもらえばよい」
という考え方になりました。
「チームスポーツ型」
「駅伝型」
であり、
「Jazzコンボ型」
ですね。
Jazzコンボとは、ピアノ・ドラム・ベース・ギター、ぐらいの少人数編成のJazzバンドを指す言葉です。多くの場合、演奏に
「Improvisation」(即興)
要素を多く取り入れ、各プレーヤーが、前のプレーヤーの演奏のテイストを引き継ぎつつも、それを
「発展させ」
「育てて」
いくのが特徴です。まさに発明塾です。
● 「ピン!」ときた人が引っ張る、「個性を生かす」チームが作れる人が、「スーパーエンジニア」
僕が、発明塾を通じて輩出していきたい人材像が、タイトルそのものです。
「ピンと来たら、自身がリーダーになり、チームメンバーの個性を生かし、結果が出せる」
ことと
「ピンと来た人をリーダーにして、自身の個性を生かし、結果に貢献できる」
こと、これに尽きるでしょう。
自身がリーダーになる必要はありません。
「チームの成果を最大化するために、何が最善か考え、他メンバーを活かし、自ら動ける人」
という表現になるでしょうか。
僕が好きな参考図書に、以下があります。
ここでは、巨大なシステムを完成させるためには、傑出したエンジニアが必要、というようなことが書かれています。
ワインバーグの本は、他にもいろいろ読んでおり、好きな著者の一人です。
僕はこう考えています。
「傑出した技術者は、常に、良いチームに支えられている」
「良いチームは、最終的に、成果を通じて、チームのすべての人を傑出した技術者に変える」
つまり
「よい仲間と、よい議論」
の話です。
「英雄史観」(成功の陰に、一人のヒーローがいる)
を捨てることが、大切です。
「その場、その瞬間」
のヒーローはいるのですが。
楠浦 拝
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