【洋服屋の未来①】デジタルの利便性とフィジカルな満足
今回は、洋服屋の未来ついて、生き残るための方法を模索します。
「これ以上店を閉めている状態が続くと、もう限界だ」
との声を飲食店や小売店の方から数多く聞くようになっています。
コロナショックにより、様々な人の気持ちが揺さぶられました。当初は経済より命が大事だと自粛。今では、経済を止めることが生活を困窮させることにつながるから自粛解除をすべきという流れに傾いています。
当然ですが、アパレル人としては、業界がコロナ以降どのようなものになるのか大変興味があります。
「ブランドは一体どうなってしまうのか?」「百貨店や専門店、アウトレットモールなどの商業施設はどうなるのか?」
「既存の店はどれほど維持していけるのか?」
前置きが長くなってしまいましたが、本題に入ります。アナリストでもマーケッターでもないので専門的な分析をするつもりはありません。現場のべたな感覚の中からの考察ですので、気楽に読んでください。ではー。
実際、今後を予測してみます。
●市場規模が縮小される
洋服が不要不急の最たるものだったと実感した消費者は洋服を購入することを減らす。経済力が低下する人が増えることもそれを加速させる。
●コンセプトやストリーに希少性がないブランドは消えてゆく
今の絶対王者のユニクロには、販売チャネル、価格、品質、デザインにおいて勝負できるブランドは日本にはない。しかし、大量生産されている商品であるがゆえ「商品やサービスの希少性、サスティナビリティ」を実現し難い現状がある。そこにフォーカスしている小規模なブランドやファクトリーは存在価値が増す。それ以外のありきたりなブランドは消滅する。
●セカンドハンドの販売チャネルが増える
いわゆる中古、リサイクルファッションビジネスは、実店舗で消費者自身がパーソナルに好みのものを気兼ねなく試着しながら選ぶことができる形態であることが強み。百貨店や専門店、アウトレットモールにまでリサイクルファッション店舗が進出することもあり得る。価格やサスティナブルな側面からも消費者の支持を得やすい。
●カジュアル化が促進される
在宅勤務が増えて、既存のスーツ、ネクタイ、ドレスシャツ、レザーシューズなどのビジネスアイテムのニーズが減る。ルームウエア的にも使用できるようジャージ素材などに取って代わる。
●売らない洋服屋が増える
業界のEC率は12%程度(ユニクロは10%以下)。今後ファッションテックが促進されて、多くのブランドが実店舗販売からEC販売に移行させようとする動きが加速するが、「洋服を見る、探す、買う、着る」といったフィジカルな満足を与えることは難しい。結果、クロージングとカウンセリングを分け、「購入はEC」「試着や相談はお店」といったD2Cの解釈が普及とする。
アメリカの百貨店 ノードストローム
引用https://www.mashupreporter.com/nordstrom-local-open-nyc-ues/
以上です。いかがだったでしょうか?
正直何が起こっても不思議でない時代に突入しています。最後に遠い先の未来を加えておきます。
●「人と物と器と事」が斬新なお店が登場する
・見慣れた都心部の洗練された空間ではなく、地方の自然の中にある空間に建つ店(特長的な建物)
・小ロットの希少性のある国産ブランド、セカンドハンドの商品が並ぶ
・多様な世代のスキルの高いフィッター、インフルエンサーが在籍
・オーダーやアフターケアのサービススペースやカフェなどが併設
高齢者や障がい者などの社会的に弱い人の雇用促進や地方再生にファッションが1役を担うことができるビジネスが誕生する時がくると思っています。