Kindle無印の2022年最新型が発売されるのであえて型落ち機の紹介をする話
Kindle買い換え需要により2019年エディションが中古市場に出回りそうなので、「Kindleを安く手に入れて使ってみたい」という人向けにレビューします。
新型Kindle(2022年発売、第11世代)、出る
9月13日に新型のKindleが発表され、予約が開始しています。個人的には、Paperwhiteに一本化すると思ってたので朗報でした。
串田は2019年発売の第10世代から乗り換える予定です。
値段は2割増くらいになりましたが、容量や解像度等の基本性能の底上げと軽量化、USB-Cにも対応しています。個人的にうれしいのは重量で、158gというのはケースつけたiPhoneSE第三世代より軽いかもしれない。色調調整ライトも、私が第10世代を買った時はKindle Oasisにしかなかった機能なので、ちょっと気になる。
おそらく他のユーザーも今持ってるKindle(2019・第10世代)を手放して、Kindle(2022・第11世代)に買い換える人が出てくるでしょう。そのため、古い型のKindleが中古市場やメルカリに出回るのではないかと思います。
ということで、中古で安く手に入れて使ってみたいという人向けにKindle(2019・第10世代)をレビューしていきたいと思います。
Kindle(2019・第10世代)
概要
Kindle無印とか言われる端末の11代目です。「電子書籍アプリ名(Amazon Kindle)」とも「上位機種(Kindle Paperwhite、Kindle Oasis)」とも、さらにはタブレット(Kindle Fire)とも名前(の一部)が被っており、検索性が皆無です。
上位機種よりスペックは控えめですが、必要十分という感じで、コンパクトで軽く端末価格も安いので電子書籍端末の入門としてはとてもおすすめです。
ただ、画面の解像度やサイズ、ストレージ容量が漫画向きではないので、漫画しか読まないという人はKindle PaperwhiteかKindle Fireを買うかスマホで我慢するなどしたほうがよさそうです。
また、「ライトノベルなど挿絵入りの小説をよく読む」という人は、2019年エディションではなく新しいほうのKindle(2022・第11世代)のほうが解像度が高いため挿絵が綺麗に表示されます。(もちろん2019・第10世代も解像度は低いながら、挿絵が見えないほどではありませんが)
ハードウェア
大きさは公式発表が160×113ミリ。重さは174g。ちなみにキッチンスケールで実測してみたら170gでした。ほんのり軽めです。
タブレットのうち、電子書籍向きと言われるiPad miniなどの8インチ以下タブレットよりも、かなり小さくて軽い。片手持ちを想定しており、ハイエンドスマホくらいの重さとなっています。
ガワの素材はさらさらした手触りのつや消しのプラスチック。ベゼルが立体的で、なんというか色以外は「レトロフューチャー」な感じです。
上位機種と違って防水には非対応です。
画面
ディスプレイにE-inkという電子ペーパーを採用しており、紙の本を読むのと同じ感覚で読むことができます。
雑誌のようにつるつるした紙というよりは文庫本みたいなつや消しの紙のイメージです。ポメラ持ってる人はポメラの画面を想像してください。
バックライトもついており、暗いところでも読めます。(この世代以前はバックライトなしなのが特徴だったのですが、2019・第10世代からつきました)
ただ、まだ電子書籍端末を持っていない人向けには、どちらかというと「(紙と同じく反射光を使って表示するので)スマホと異なり、明るすぎる場所でも読みにくくならない」というのを推したいですね。実際、行列待ちなどの直射日光の下で読んだりしました。
解像度は167ppiです。iPhoneSEやiPad miniが326ppiなので約半分くらい。
試しにiPad miniとKindle(2019・第11世代)で文字サイズを同じくらいにして同じ小説を表示してみました。
iPadのほうがフォントが細いです。オフセット印刷(モニターですが)という感じ。
Kindle(2019・第11世代)はプリンターで游明朝とかMS明朝あたりで作ったWord文書をプリントした的な太さのイメージです。
文字サイズの最小と最大の画像も紹介。
ちなみにこれは広告付きバージョンの端末なので、ロック画面、電源オフ時と起動時はキャンペーン広告(他の書籍の紹介)が表示されてます。
(Amazonのおススメを参照しているのか、既に買ってある本が出てくる場合の方が多いかもしれません)
広告なしバージョンだと今読んでいる書籍の表紙をロック画面に表示するよう設定することができるみたいです。しかもこの場合電源オフ時も画像付き。非対応の書籍もあるようですが。
スペック
記憶容量は4GBです。Kindle Paperwhiteの8分の1です。全てがストレージとして使えるわけではないようですが、小説なら最低でも2000冊は入ります。(容量オーバーしたら一度端末から削除し、また読みたい時はダウンロードしなおす形になります)
ページめくりの反応速度は動画をTwitterにあげたので参考にしてください。「タブレット」と考えると若干もっさりですけど、「本」だと思うとけっこうサクサクしてると思います。
使って感じたメリット
電子書籍自体のメリット
・軽いので、手で持つのも持ち歩くのも楽
たとえば飛行機旅行だと待ち時間も長いため行きに1冊、帰りに1冊くらいは読めてしまうのですが、旅行に何冊も本を持って行かずともKindle1台があればOKです。上下巻で計1000ページの本や、文庫が出ていないハードカバーの本もたったの170gにおさまります。
・今読んでいる本を読み終わっていても次があるという安心感がある
たとえば移動中、今読んでいる本が読み終わりそうになっても、「もう一冊もってきたはいいが、預けたスーツケースの中にある」などということがありません。指先一つですぐ次の本が読めます。
事前に書籍のダウンロードが可能なので、旅行前にダウンロードしておけば飛行機の中やフェリーでの移動中でも、ギガがなくなっても、そもそも圏外の場所でも安心。
・何冊買っても部屋が狭くならない
データなのでいくら本を買っても部屋は狭くなりません。全31巻の吉川英治全集も掌の上に乗っちゃいます。全集とかは物理的に所持したいというものでもあるので善し悪しなのですが。
・雑に鞄に入れてもぐしゃぐしゃにならない
物理書籍では、ブックカバーなどを付けていても鞄に乱雑に放り込めば角折れなどが発生します。電子書籍は端末を鞄にポイすれば平気です。
カバーなしで使っているので、衝撃を和らげるためのクッションポーチに入れてますが、ファスナーは閉じてませんし、なんならポーチを忘れてそのまま鞄にinする場合もあります。
・お風呂で読める(防水非対応でも紙の書籍よりは取り回しが楽)
紙の本はお風呂で読むとえらいことになりますが、電子書籍ならお風呂でも読めます。「指を入れる穴のあいた紙の本をお風呂で読むためのカバー」というのもありますが、1冊読んだら次の本を入れ替える必要があります。でも電子書籍なら指先ひとつで別の本を開けばOKです。
残念ながらKindle(2019・第10世代)は防水非対応ですが、実は防水ケースに入れればふつうに使えます。Kindle PaperwhiteやiPhoneと同じIPX8等級の防水ケース(ポーチ)が1500円くらいで売ってますのでそれに入れて下さい。
なお串田は防水ポーチではなく100均の食品保存用フリーザーバッグのMサイズを愛用しています。重さが実質「無」ですし、防水ポーチより圧倒的に取り回しが楽で、冷凍用で厚みがあるため何度も再利用でき、アルコール消毒もでき、穴が開いたりシャンプー等で袋が汚れたら捨てられるので、とても衛生的です。
スマホ読書やiPadなど他端末などと比較してのメリット
・太陽の下でも読める
画面の説明でも少し触れました。スマホ等では日中の屋外などでは画面の明るさを最大にしても画面が見にくくなる場合がありますが、Kindleでは紙の書籍と同じように読むことができます。
・スマホと併用できる
本を読んでいて調べたいことが出てきたとき、読書を中断せずにスマホで調べることができます。
・いくら読んでもスマホの電池が減らない
別端末なので、当然何時間読んでもスマホの電池が減りません。なんなら「スマホの電池がないからTwitterで暇つぶしできない……本でも読むか」できます。
・電池持ちが良く、充電し忘れても大丈夫
iPadminiとの比較になりますが、iPadを使わずに1ヶ月放っておくとまず充電するところから始めなければなりませんが、Kindleなら充分電池が持ちます。(公称8週間だそうですが実感としては6~7週間くらいです)
ただ、電子ペーパーの性質上、「ページめくり時に電力を消費する」ので「連続使用時間」は待機時間ほどの差はないようです。これはデメリットで後述します。
・読書に集中できる
スマホと異なり、端末に通知が来ることがありませんので、読書に集中することができます。なんなら電話しながら読めます。(電話に集中すべきでは?)
・バックグラウンド再生が無効な状況でもスマホで音楽を聴きながら読書できる。なんなら動画を視聴しながら読書できる
別端末なのでスマホで音楽流しながらの読書も簡単です。Youtubeプレミアムに入らなくても大丈夫。「Youtubeプレミアムなら好きな音楽をバックグラウンド再生できます」というCMが出るので、入ったほうが集中できますが……
また、別端末なので画面を共有しておらず、「本を読みながら動画を見る」ということもできてしまいます。(読書に集中すべきでは?)
・ソシャゲのイベントなどを周回しながら読書ができる(※フルオート可能なゲームのみ)
スマホと別端末なのでソシャゲの周回をしながら読書ができます。フルオート進行が不可能なゲームだと少し集中力が削がれてしまいますが、自動で進行される時間が長いゲームなら周回可能です。
おすすめはメギド72です。イベントや討伐などでフルオート周回の機会があるゲームですし、BGMが良いので。読書しながらイベント周回したり、RマルバスMEを踏んだプルフラスでアラハバキを殴ったり、フルカスMEを踏んだBブネでメギクエを埋めたりしましょう。なお、共襲でキャンプを建てる場合、フルオートはソロの時だけにして、スカウトはやめておきましょう。私の30分を返してくれ。
ちなみに文豪とアルケミストは1時間1回復のスタミナ形式なので「周回」というほどではないですが、こちらも音楽がいいし作品のテーマ的にもおすすめです。そのときのイベントの題材を読んでみると捗るかもしれません。Kindle unlimitedに入ってれば全集がタダで読めたりします。先述の吉川英治全集(全31巻)もサブスク代さえ払えば実質無料です。
Kindle Paperwhiteと比較してのメリット
Kindle Paperwhite未所持なので、店頭でちょっと触っただけですが、それでもけっこう違いを感じました。
・ベゼルに厚みがあるので保護フィルムが要らない
乱雑な扱いにも比較的耐えます。Kindle Paperwhiteはフラットベゼルなので画面保護フィルムは必須っぽいです。
・「紙の本をめくっている」感がある
電子ペーパーが剥き出しなので画面との摩擦や、ほんのわずかな弾力(?)があり、どことなく「紙の本」感がある。
Paperwhiteは摩擦はある(ノングレア液晶みたいな感じ)けどちょっとだけ硬いです。
使って感じたデメリット
・「狙ったページに移動する」のがやや難しい
紙の書籍のように直観的にページを開くことができないのはもちろん、タブレット用のkindleアプリのようにスライダー移動ができません。「行番号」を入力するタイプの移動しかできないので、頻繁に戻って読み返したりするのには向きません。
・図があまり綺麗ではない
挿絵くらいだと普通に見えるのですが、歴史とか自然科学の本に入っている「文字入りの地図とか表などの画像データ」とかはちょっと見にくいかもしれません。
・落としてひびが入った(自業自得)
お風呂で落として浴槽の底にぶつけてしまいました。ひびが入っても使えるんで問題ないと言えばないんですが。
「鞄にそのまま入れても大丈夫」と書きましたが、鞄にポイっと入れる時も底にぶつからないようにしたほうが良いのかもしれません。ちゃんとカバーつけてれば安全だと思います。
・本棚(所持している電子書籍を管理する画面)のUIがあまりよくない……いや悪い
これは端末というよりはKindleというサービスのデメリット。探しにくいです。なので積ん読向きではなく、直近に買った本から読んでいくのがおすすめ。
Twitterでこれはと思ったのを引用させてもらいましたが、すくなくとも、物理本で例えると、どこかに本を平積みしている感じなのは間違いありません。
・所持してる感の欠如
これは端末やサービスというより、電子書籍そのもののデメリット。物理的に持つことができないのと、先述するUIがよくないのもあって、コレクション感はどうしてもなくなります。
ただ、一度購入した本は、たとえ何らかの原因で配信停止になっても再ダウンロードができます。なので良く言われる「本棚の中の本を焚書される」ことはありません。物理的に所持していないだけで、ちゃんと買った読む権利は残ってるんですね。(※ストアを見てみると、作者の犯罪だけではなく採算性や管理コストなどの理由で電子版をやめてる場合もある? ようです)
・ずっと読んでると電池がけっこう減る
「電池もちが良い」と矛盾するようですが、電子ペーパーの性質上、画面切り替わり時に電力を消費する=読めば読むほど電池は減り、読むスピードが速いほど電池の消費スピードも速くなります。
スマホほど消費は早くないのですが、2時間とか3時間とかずっと読んでるとそこそこ減ります。
流石にフル充電からの連続使用で充電0%まで読んだことがないのですが、ネットの書き込みや公式発表の1日30分で数週間というのから計算して、だいたい十数~数十時間くらいかなと思います。
・たぶんコスパがいいわけではない。
紙の本なら「端末代」は0円ですし、それは既に所持している端末を使用するスマホやタブレットでの読書でも同様です。
Kindle(2019・第10世代)のフルプライスが10000円くらいなので、中古でも5000円前後かと思います。1週間に1冊程度読んで、アップデート保証期限いっぱいまで使うとして4年間、1冊あたり24円くらいのコストが加算されます。日本人の平均(月1冊)だと1冊100円です。良い読書環境のために、そのコストをよしとするか否かです。
私の場合、フルプライスで入手しており、さらに月によっては1冊も読めないとかざらにあるのでもっとコストがかかっています。
どんな人におすすめ?
試しに電子書籍専用端末を使ってみたい人
小説など文字中心の本を読む人
たくさん読む人
旅行中に本を読む人
読書に集中したい人
スマホやタブレットで、継続的に行わなければいけない作業がある人
防水はジップロックでいい人
かつ
中古で端末を安く買いたい人
防水がほしかったり漫画が読みたかったら、ちょっとお金を足して型落ちのKindle Paperwhiteを買ったほうが良いです。
また、小説を読むだけでも、価格が高くても良いなら10月に出るKindle(2022・11世代)を新品で買ったほうがお得だと思います。
中古のKindle(2019・10世代)と比較した場合、新型は倍くらいの価格ですが、機能差や円安の影響などを考えたら実質価格据え置きです。
全然関係ない余談ですが、Pomera持ちには「Pomeraのインプットバージョンだよ」って言っておけば良い気がしてきた。
おわりに
ということでKindle(2019・10世代)のレビューをしました。電子書籍専用端末のデビュー機候補の1台。入手検討の際の参考にしていただければ幸いです。
なお、中古市場への旧端末放出を見越したレビューということで、串田の心はすでにKindle(2022・11世代)に向かっております。手に入れたらまたレビューしたいと思っています。
ところでAmazonでKindle(2022・11世代)対応ケースを検索したらなぜかパンチラ写真集とかセクシーなグラビアが出てくる。自社製品も満足に売れないんですか!?
※そういえば、ペンでメモなどを書き込み可能な新型端末のKindle scribeも発表されてましたが、これがoasis後継機になるんでしょうかね。
形は似てるけど機能的に別物な気がしますが......
出典:記事中で表示していた書籍について
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文字の表示サイズやページめくり速度の紹介で使用。
精神共同体として時空を超えて宇宙を旅し、いろいろな生態を持つ異星の人類(当然ホモサピエンスではないし、動物ですらない場合もある)を観察するお話。
SF……小説? モキュメンタリーではないのだが、どことなくモキュメンタリー的な楽しさもある。「2億年後の世界」とかみたいな。
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淡々とした絵柄と不思議な切り口が印象的な作風。