目覚めよ!新時代のデザイナーたち
デザイナーの仕事をより深く知る
世の中にはいろいろなデザイナーが存在します。
グラフィックデザイナー、プロダクトデザイナー、空間デザイナー、ファッションデザイナー、WEBデザイナーなど、各々専門分野があります。
本記事では、私が今まで培った知識、経験から「デザイナー」という仕事をテーマに書きたいと思います。
私は、デザイン マネジメントの仕事に従事しながらデザインに大いに関わっています。
ここ8年ほど前から「デザインとはなんぞや?」とよく考えるようになりました。
たぶん、自分の生業をしているデザインの仕事を振り返る余裕がでてきたんだと思います。
そこで、私はある一つの答えにたどり着きます。
ほとんどのデザイナーは自分たちの力をまだ知らない人たちが多いんじゃないかと。
「デザインには世界を変える力がある」
デザインに世界を変える力があることは、この「デザイン マネジメント専門ブログ」でもいくつか事例を取り上げてるのでご存知かもしれませんが、デザイナーが素材を選び、デザイナーがつくる設計によって生産プロセスが変わります。
このプロセスが、アメリカのデザインコンサルティングファームIDEO社によって提唱され、スタンフォード大学d.schoolを中心に実践される「デザイン思考(デザインシンキング)」として注目されています。
こんなにも世界的に「デザイン思考(デザインシンキング)」が注目されているのにも関わらず、
日本のデザイナーのほとんどが、消費と生産が無限に膨れ上がるサイクルに身を置いたまま、自分たちのデザイン(デザイン思考・デザインシンキング)の力でそのサイクルを変えられることを知らないのです。
デザイン(デザイン思考・デザインシンキング)による変革
本当に必要とされるデザイン生産とは……
現代社会の中、物凄いスピードで膨れ上がる生産と購買の消費サイクルの波。
買うために働き、生産し、そして買うの日々の繰り返し。
この消費サイクルがどんどん加速化し輪が大きくなっていく中で、デザイナーたちは消費サイクルの中に組み込まれた枝葉末節なデザインを生み出すために自身の情熱と魂を燃やし、デザイナー人生の大半の時間を費やしているように感じます。
デザインの価値は、デザインの変化で何億円というブランドや金銭価値を生み出すことと言うかもしれない。
だが、その価値とは何をもって測り、何をもって証明されているのだろうか。
デザインという仕事の本質は何なのか
本当に社会や消費者の生活を良い方向へ変える貢献をしてるのだろうか。
デザイナーが社会に果たしている役割を再確認し「尊厳」のある生活をするために何をすればいいのか。
これこそ、豊さの再定義のデザイン(世界の変革)を原動力に製品やサービス開発に関わった人々が、
社会的課題の解決とともに、解決策を求めていた問いではないでしょうか。
デザインにとって「美しさ」はとても重要な要素であり、追求すべきものです。
でも、同じ時間をかけるなら、デザイナーたち自身も、自分の人生を豊かにするデザイン設計の時間に費やしたいと考えるのは当然なことではないでしょうか。
美しく、かつ、利用する人たちの生活が豊に改善していくデザインこそ、生産する側も喜びを感じられるデザインです。
非常に根本的なことですが、こうしたデザインを生み出す活動に接点を持つ機会があまりに少なすぎて、デザイナー自身もこのことに気づいていないのかもしれません。
デザインワークだけではなく、各々デザイナー自らの果たす役割とその力について認識することで、すべての「消費」と「生産」の関係に変革が起きるチャンスが生まれ、デザインを通して新たな豊さを実現することが可能となります。