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現代語俳句への旅 13


「 地球ひとつぶ 」
~現代語俳句集~

大ぞらを引っぱりつつよ林檎もぐ

林檎もぐ空からあたえられるまま

ひとり立つ大きな秋のまんなかに

気がとおくなるまで嶺は秋澄んで

きつつきにこころが遠くなるよ山

こだまして啄木鳥の山しんしんと

ひとすじにこころのおくへ紅葉川

神戸という銀河今宵もきららかに

顔あげてじんるいがまた月へゆく

古酒くんでこよい人生とおく澄む

大横綱なんどころんできたことか

平和とはしずかなことか銀杏散る

子らのせた旅客機に秋たかくあれ

ずっしりとあきのそらとぶ熱気球

かがやいて地球ひとつぶつゆの玉

海もまた露のひかりのまぶしさよ

胡桃割る夜のしずけさを味わうか

城下町きょうもがやがや新とうふ

へいわな世鹿の角切り見にゆくか

くじらゆくはてない海の淋しさよ