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四季折々の俳句 6


「 オアシス 」

子つばめに明るき空のありにけり

壜ふれば青き波ゆれオーデコロン

香水のかすかなひかり身にまとふ

かきこんでちからをもらふ冷し汁

植つけしここに根を張る早苗かな

ほたるかごといふしづかな小宇宙

ゆく雲に乗つたここちよ籐寝椅子

はためくは冷やし中華ののぼり旗

雲の峰ひとつがお前ひとつがわれ

鳴るなかにしんとをりけり風鈴売

遥かなる隠岐を見てたつ日傘かな

いのちあるかぎり海亀およぎけり

オアシスをさがすや暑き街のなか

すねしひとくちとがらせて苺食ふ

灯のかずのもの語りあり梅雨の街

誉め言葉まいにちかけて薔薇大輪

いちりんをもらつて去るか薔薇園

おほぞらにくづれては湧く雲の峰

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