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現代語俳句への旅 14


「 じんるいの旅 」
~現代語俳句集~

かお上げてじんるいの旅あきの雲

菊いちりんしなやかに耐え嵐あと

秋神輿ゆくときこの世かがやかよ

後の月ほほえむひとであってこそ

ぬくめ酒酔ってひかりの世界へと

応援団長天よりたかいこえをだせ

あきの雲旅はなににもこだわらず

台風がもっとも泣いているそらよ

つくだけでこころあたたか秋灯よ

あおぎみる誰もが月へみちびかれ

空よりもしずかに銀杏散ることよ

身にしみる大きな空のさびしさが

大学生活銀杏となって散るだけか

サラリーマン仰いだ空へ小鳥とぶ

聴きにきた京のしずかさ秋のこえ

今年酒酔えばこんなにあたたかな

未来へとひろがる香り柚子しぼる

目がさめて家郷消えゆく秋のゆめ

ぽっつりと家あらわれる秋の灯よ

ふるさとがだだあるだけで冬暖か