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アジサイがいっぱい
ニュージーランドは真夏を迎えました。我が家の庭では、あちこちで、アジサイが咲いています。日本にいたころは、アジサイというと、梅雨時の薄暗くて、じっとりとした雨の中を静かにうつむき加減で咲くイメージがありました。でも、こちらでは、カラリと晴れたお日様のもと、ニコニコしながら張り切って咲いている感じで、ずいぶんイメージが違ってびっくりしました。
ここは、ガレージ裏側の私以外だれも見ないエリア。廃材などのゴミが捨てられ、草ぼうぼうで荒れていたのをせっせと整備して、日陰が好きな植物をコツコツと植えていきました。後ろでジャングルみたいになっているアジサイは、白とピンクの花が咲くはずなのに、酸性度が強いみたいで、いつのまにか水色がメインになっています。
手前のアジサイは、咲き始めの11月は
こんな深みのある濃い青なのですが、今の時期には色があせて、antiqueになります(日本では、秋色アジサイと呼ばれるようです)。
そして、アジサイの素晴らしい点は、挿し木が簡単なこと。切った時に出た枝をもとのアジサイの横にずぼっと挿しておくと、水やりを忘れない限り、非常に高い確率で根付いてくれます。上の青いアジサイは、親しい友人のお庭から、そして、トップの写真のピンクのアジサイは、高齢者ケアホームに移られる知り合いの方のお庭から切らせてもらったものです。その方のホームのお家を訪問した時に、根付いて、かわいいピンクの花を咲かせた鉢植えを差し上げることができました。
あと、アジサイは、種類が豊富なのも楽しいです。
これは、ノリウツギ(Hydrangea paniculata)で、品種名はその名も「Kyushu」。旅行の帰りにふと寄ったガーデンセンターで買いました。あれこれ悩んで、家族を待たせたのもいい思い出です。
こちらはヤマアジサイの 「Blue Deckle」。この家に来て間もないころに、ガーデンセンターで「from the montain regions of Japan」という説明が付いていたのを見つけて、うれしくて買いました。庭って、こうして思い出が積もっていくところだなあと思います。
ノリウツギもヤマアジサイも、茶花に使えるところもうれしいポイントです。普通のアジサイは、華やか過ぎて、茶席には使えないのです。
さらに、アジサイの楽しいところは、庭で楽しんで、切って家でも楽しめること。ドライフラワーは基本的に好きでないのですが(逆さづりにしたりするのがなんだか苦手で)、アジサイが自然にドライになっていく色の変化は素直に楽しめます。
夏はカラッとしてさわやかなオークランドなら、こんなふうに水をちょっとだけ入れて、あとは水を足さずに、自然に乾燥させておけば、OK。
タンスの上には、ウェリントンのホテルのルームバーに置いてあったジンの小瓶に入れて。
暖炉の上には、長めのステムにして、ワインの空き瓶に入れて。Antiqueな色合いは、こんな素朴な感じが合うような気がします。
最後に、こんなにあれこれ、アジサイの良さを語っている私ですが、ふと、思い出したので、告白します。10年以上前に今の家に引っ越してきた時に、前の住民が植えた(と思われる)アジサイが枯れていたので、ポイっと抜いて捨てました。でも今思うと、冬で、休眠中だったのだと思います。本当にごめんなさい、あの時のアジサイ。これも庭の思い出の一つです。
付け足し(2月7日)
ドライにするもう一つの大事な理由を書き込むのを忘れていました。娘が花粉症になるので、開花したての花は我が家では飾れません(咲き切ってドライになってきている花は大丈夫なのです)。アジサイは開花が進むにつれて、結構花粉を出します。検索してもあまり出てこないようなので、花粉症のある方は念のためご注意ください。