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『ふたつの星とタイムマシン』『タイムマシンでは行けない明日』の読書感想文

初読みの畑野智美さんの二つの作品。

『ふたつの星とタイムマシン』の方は、SFよりは恋愛モノの短編集で、『タイムマシンでは行けない明日』の方は、短編集と繋がりのあるお話でした。

タイムマシンものと言えば、時間を移動した先で、思いがけずに歴史を変えることによって微妙に辻褄が合わなくなったりという流れになるのがお約束ですが、この話に出てくる主人公は読んでいて不憫なくらいに人生が大きく変わってしまうのです。

短編集の方で感じたモヤモヤは、もう一冊を読んでも解消はしませんでしたが、1人が起こす出来事によって周りの人の人生の歯車までも大きく狂っていくさまは読んでいて薄ら寒さを感じました。

そして迎えたラストは、見方によっては希望の光が見えたのかもしれないけど、私はあまり希望を見出すことができませんでした。

みんなが抱えているものが辛すぎたのです。

もし、本当にタイムマシンがあるとして、それを使ってみたいかと問われても、私は多分使わないだろうと思います。

過去に戻っても未来に行っても、きっと何も変えることはできないのだと思うから…。

結局、どんな生き方をしていようと、今を精一杯生きていくしかないのでしょうね。


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