「ここだけのお金の使いかた」読書感想文
こんばんは、水瀬綾乃です。
昨夜、アミの会の「ここだけのお金の使いかた」を読み終えました。
テーマがお金ということで、どんな短編集だろうと思いつつ読み進めましたが、次の七つのお金小説が並んでいました。
⭐︎百万円分の無駄 新津きよみ
⭐︎一生遊んで暮らせる方法 原田ひ香
⭐︎12万円わんこ 大崎梢
⭐︎廃課金兵は買い物依存症の夢を見るか? 永嶋恵美
⭐︎わらしべ長者のつくりかた 福田和代
⭐︎塾に行かない子どものための五つのクリンプス 図子慧
⭐︎二千万円の差額 松村比呂美
一番心に残ったのは、福田和代さんの「わらしべ長者のつくりかた」でした。
福田さんは初読みの作家さんでしたが、この作品は読後とても爽やかな気持ちになりました。
お礼にいただいたモノは主人公が欲しかったモノというわけではなかったので、このお話とはちょっと横道に逸れますが、物々交換っていいですよね。
自分が創り出せるものを、それを必要としている人と、自分が必要とするモノとで交換する。
そこには、お互いが必要とするモノやコトが存在し仮に貨幣がなくても直接モノやコトを交換できる。
自分が提供できるモノやコトが誰かの役に立てると思うと嬉しくなるし、もっと頑張ろうかな…って思えるのではないでしょうか?
他の作品も、それぞれ思うことがありましたが、図子慧さんのお話も、親目線でストーリーを追いつつ、考えさせられました。
子どもが大きくなるにつれ、親の目の届かないところも増えてきて、家族にも言えずに悲しい思いをしていることに気づかなかったかもしれない。
子どもにだって、親に心配かけまいとして何でもないように振る舞ってしまうことがあるということは自分が子どもだった頃を振り返ってみてもわかることです。
でも、取り返しのつかないことになる前に、信頼できる大人に頼ってほしいと思うのです。
そのためには、周りにいる大人が子どもたちに信頼されるように心を配り、彼らの心の安心基地にならないといけない。
単純にお金のことだけではなく、ためになった一冊でした。
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