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【詩】雪うさぎ

耳の重さをはかったら
右耳より左耳のほうが
少し重かった

深夜に染みる声は
受話器から
早めの夏をつれてくる
雨があなたの声を
美しく研磨して
結晶がちらばる

そのたび左耳に結晶が降って
しんしんと積もっていく

積もった結晶をあなたが
さくさくと音をたてて渡る
あたしは笑って
耳の奥で雪うさぎをこしらえる

あたしの耳は
右耳より左耳が
受け止めた声のぶん
少しだけ
重い

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