見出し画像

【詩】ペリエ

月が夜空に染み付いて
少しずつ削っても
またまるく
白っぽいキイロ

月がまるくなると
おなかのなかの
小さな子宮が
小魚を宿したがる

紫陽花の青紫が
胸の小道で佇んで
涙の雨を待っている

無情な時間が
縫い合わせる日々
産み落とす藍は
夜に飲まれて
結局は
怖がりな子供

春でも夏でも秋でも冬でも
朝でも昼でも夜でもいい
ただあなたのとなりで
透明な緑のビンで空をのぞいて
ペリエを飲みたかった

いいなと思ったら応援しよう!