【詩】2003年6月23日午後8時56分
そのブラウン管の中は嵐だった
途切れがちな声で
手のひらほどのキャスターが中継をしている
片肘をついて横目でうかがう
勢力を保ったまま上陸の恐れあり
じめじめと暑苦しい
快適とはいえない部屋も
こうやって
雨をしのぎ
風をしのぎ
あとは熱気が逃げてくれたら
携帯が鳴る
メールを読む
面倒になって
返事も出さずに
充電器へ戻した
誰かを幸せにする方法は
1つや2つではありえないという
あなたが幸せになる前に
誰かを幸せにすることだって可能なのだということ
あなたは気が付いているだろうか