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『ビジュアル版 日本の昔話百科』石井正己(2023・河出書房新社)

日本に限らずだと思うけど、昔話って「・・・・(困惑)」って内容のものがちらほら混ざってる。

「中の奴らを粉々にしてやろう」

『桃太郎』

鬼をボコしてお宝をぶんどる所業は、(現代においては)賛否両論だし、ものぐさ太郎に至っては普通に犯罪者の疑いアリ。

嫁取りならば辻取(路上で女性をとらえること)をするのがいい

『ものぐさ太郎』

そうアドバイスされて女を攫いに路上へ繰り出すものぐさ太郎。ビビッときた女に「大手を広げて近寄り、笠の中に顔を入れ、腰に抱きつ」き、辻取を決行。しかし女は太郎をふりきって逃走してしまう。諦められない太郎は彼女を追いかけてって家宅侵入「縁の下に隠れていました」。
ーーーなんとっっ。これが当時の文化なのか(衝撃)
しかし。信じがたいことに、この後ふたりは結婚しちゃう。バッチくて真っ黒だったものぐさ太郎は7日間ぶっ通しでお風呂に入れてもらったおかげでイケメンに変身(これはイイネ!)。がしかし「礼法を教えると素晴らしい人になりました」ーーーって本当に? 並ぶ者がないほどの怠け者だったのに?(疑いのまなこ100%)

ついでに書くと、昔から疑問に思ってたのが『カチカチ山』。
あれ、爺さま本人が復讐するのならわかるんだけど、なぜ兎が!?と思ってしまう。当事者でもない第三者が罪を犯す(復讐を果たす)流れに生理的拒否反応。このお話は教科書にも載っていたらしいのですが、まさかこれを善きこと(もしくは当然のコト)として子供に教えていたのだろーか。
現代の法律だと、こういう事例はどーなるの? 嘱託殺人?

謎多き昔話。歴史の流れを感じます。


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