長崎県 佐世保でいろいろな制覇を楽しむ旅 ~ Part 1
久しぶりに西へ。新幹線で九州を目指します。
「みずほ」は新大阪~博多間のみ料金がほかの新幹線より割高設定されています。いちばん速達型の新幹線が「みずほ」になるのですが、次に速い「さくら」とそんなに大差はありません。出発時刻が合うのであれば、料金の安いさくらでも座席は同じなので快適です。
ただし、自由席は2×2列ではなく3×2列シートになります。
みずほ、さくらに乗るなら指定席がおすすめです。
そんな話しをしていると博多に到着。特急みどり19号に乗り換えます。
特急みどり号とハウステンボス号は途中の早岐駅まで仲良く繋がって走って行きます。
くろしおの行先は佐世保なのでみどり号に乗車します。
こちらは特急みどりの車内。
照明もこだわりがあってオシャレな空間だけど、ここはエアコンが効いていないので暑いです。しかし、ここから眺める車窓は特別感が増します。今回のヘッダー写真はここで撮影しました。
客室の黄身がかった天井照明を見てもわかる通り、みどりはとても古い車両。運転室にはスポットクーラーが置いてありますね。暑い中、私達を安全に運んで下さりありがとうございます。
ここでプチ情報。この展望車両は自由席。佐世保から博多に向けて乗車するなら先頭になるのでおすすめです。
こちらの路線は途中、佐賀県を通ります。佐賀と言えば有田焼や伊万里焼が有名ですね。
有田駅の次駅である三河内駅は長崎県になり、三川内焼と言う伝統工芸が盛んな町です。
「みかわち」の漢字表記ですが駅名のみ「三河内」で、町や焼き物は「三川内」なんだそう。佐世保市のホームページにはこのように書かれていました。
みかわち焼。見たことあるかも!って方、多いかもしれませんね。
~トンバイ塀~
焼き物の町でよく見られる塀でトンバイとは耐火レンガのことです。登り窯を築くために用いたトンバイの廃材や使い捨ての窯道具を赤土で塗り固め作った塀のことを指すのだそうです。
ホームの石垣はトンバイ塀ではないと思いますが、それ以外は立派な伝統工芸。それらを車窓から鑑賞できるなんてお得だと思いませんか?有田駅ホームにも有田焼だと思われる壁画がいくつか設置してありました。特急停車駅なのでこちらの路線に乗車した時は車窓からぜひ鑑賞して下さいね。
三河内駅を過ぎ早岐駅に到着すると、ずっと一緒だったハウステンボス号とはお別れ。みどり号は来た道を少し戻る形で佐世保に向かいます。進行方向が変わるので逆走になるけど、次の停車駅は終点佐世保になるので誰も座席転換はしません(笑)
反対向きで佐世保駅に到着です(笑)
あ、そうそう、今回は色々制覇するためにこの方の力を借ります。
今回の佐世保旅は、それぞれに目的があります。
☆食いしん坊 長男☆
①佐世保バーガーを食べてみたい!
②レモンステーキが気になる!
③九州のソウルアイスを食べたい!
☆くろしお☆
︎︎︎︎日本最西端を全部回りたい!
①最西端の神崎鼻
②JRの最西端である佐世保駅
③日本最西端の駅 たびら平戸口
グルメ→白鉄火巻きを食べてみたい
叶える旅。長崎県 佐世保 2泊3日スタートです。
着いていきなり達成したのはこちら。くろしお、この佐世保駅でJRの東西南北の最先端駅を制覇したことになりました!
駅舎を見て思ったのは、全体の造りは教会を、屋根は船の帆をイメージして作られているのかな。
佐世保と言えばかつて軍港として栄え、キリスト教など国際色豊かな地域ですものね。
駅自体はこじんまりとしていて小さめ。出口は2ヶ所のみ。東口に背を向け反対側のみなと口を出ると目の前には佐世保港が見えます。
一日目はレンタカーで日本最西端である神崎鼻を目指します。
佐世保駅周辺はレンタカーが充実。トヨタ、ニッポン、ニッサン、オリックス、タイムズカーシェア、JR駅レンタカー、ほぼすべて揃っています。どれも歩いて行ける距離にありますが、超駅近なのはJR駅レンタカーとトヨタです。タイムズカーシェアのプランにすでに入っておられる方はタイムズ一択かもしれませんね。
神崎鼻へ行くまえに、お昼ご飯を食べるため道の駅に寄りました。
だけど佐世保での最初のご飯はやっぱりコレでしょ!
☆レモンステーキ☆
熱々の鉄板の上に乗せられジュー!と音をたてながらやって来ました。ほとばしる肉の脂が弾けて、運ばれて来た瞬間から甘い匂いが私達のテーブルを占拠します。長崎県産の牛肉は噛むと甘さが広がります。さらに意外なことにソースも甘め。すなわち、お肉とソースはダブルの甘さ。言葉だけ聞くと、しつこそうだけど、そこでレモンが名脇役を発揮します。これ、ほんと考えた人すごいなぁ。お肉もソースも甘いからレモンがこのふたつを引き締めて、さらにひとつのまろやかな味として仕上げてくれている。通の食べ方は、お肉を食べ終わったら鉄板に残ったソースにご飯をダンクするのだそうですよ。しつこくないし、くどくもない。見た目に反してあっさりめ。すべてをいい方向に裏切る美味さです。
☆佐世保バーガー☆
このバーガーにはルールが存在するのだとか。まず作り置きは禁止。オーダーが入ってから調理し必ず出来たてを提供しないといけないそうです。ゆえに、必ず待ち時間が発生します。急いでいる人には向かないバーガーです。と、いうより時間をしっかり作って味わって食べないともったいないバーガーです。
ここの佐世保バーガーは、お肉、チーズ、卵、ベーコンそれぞれが『私が主役よ!』みたいなしっかり、がっつり素材の味を舌で感じながら食べれるバーガー。そして、ここの名脇役はマヨネーズ!これもまたほんのり甘いのです。お互いが主張しあう素材をマヨネーズがしっかりまとめてくれています。そしてバンズも手を抜いていない。これはファーストフードじゃなく立派なひとつの定食ですね。
レモンステーキも佐世保バーガーもこんなに奥の深い食べ物とは思っていませんでした。ファーストコンタクトでかなりのインパクトを見せつける佐世保ご当地グルメ。侮れませんね。
さぁ、お腹が満たされたところで、日本最西端である神崎鼻に出発!
到着です!
風が強すぎて雲がずっとうごめいていました。青空も少しは見えているけど、モニュメントの先はどうでしょうか。
日本最西端なのですが、どんよりながらも海の先に島々が見えるので『最果て感はあまりない』ってのが正直な感想です。
九十九島(くじゅうくしま)聞いたことある方おられると思います。
それがこのあたりになります。
人がいない。
それゆえにとても静かで風が作る音にあわせて目に見えてわかる速さで雲が流れていき、時折波が激しく打ち寄せリズムを刻む。まるで壮大なオーケストラの会場のようでした。
そんな神崎鼻のすぐ近くは漁港になっていて人々の生活が感じられます。たまたまそのすぐそばが最西端だった。という雰囲気です。なので特別観光地化されておらずトイレはありますが駐車場も簡易的なものしかありません。
神崎鼻のアクセスは車がないと難しいかもしれません。佐世保駅から路線バスを乗り継いで(直通はないみたい。一度乗り換えが必要)行けなくもないですが、最寄りのバス停から神崎鼻までも2kmほど離れていて、バス+徒歩でトータル2時間ほどかかります。往復の交通だけで4時間かかることに᠁。バス時刻表次第では1日がかりになる可能性も出てきそうです。
車だと佐世保駅から寄り道しなければ30分ほどで到着できます。
九州旅って大概レンタカーしてる気がする。北海道より九州のほうが車必須かもしれない。
食いしん坊長男に感謝です。
せっかくのレンタカー。有意義に使いましょう。次の目的地へ。
田園風景の中を走り続いてやって来たのはこちら。
同じ場所でも少し角度を変えると
この空模様の違い。風がすごくて雲が流れては切れて~の繰り返しで刻一刻と空模様が変わっていきます。
来ました!ホカホカ出来たて佐世保バーガーです。
ひと口食べた瞬間、あっさりしてる~。なんて優しい味なんやろ。なのにちゃんと旨みも感じる。味がぼやけてない。道の駅のマヨネーズよりさらにまろやかで甘さがあります。兎にも角にも同じ佐世保バーガーとはいえ味わいがまったく違う!パクパク食べれちゃう。
お昼からバーガーばかり食べているけど、ぜんぜんいける。だって個性があるんだもん。飽きない。ごちそうさまでした!
まだ予定があるので、食べたら次に向かいます。このお店に来る途中に展望台があったのでちょっと寄り道してから下って行きましょう。
そして向かった先はこちら。
ここでクルーズ船に乗ります!しかも乗船客は私たちだけ。完全にプライベートクールズです。だってこの曇天。誰も乗らない(笑)
これは『世界で最も美しい湾クラブ』というモニュメント。
そろそろ出港の時間です。
サンセットクルーズなのですが、サンセットは望めないと判断した船長さんは様々な九十九島にまつわるお話しをしながら遊覧して下さいました。
九十九島(くじゅうくしま)の由来は数え切れないぐらいたくさんの島があることからつけられた名前だが、実際には208島が存在している。でもそれも定かではないらしい。それぐらいにたくさんの島が点在しているということ。そのうち人が住んでいる島は4つしかない。あとの無人島には持ち主がいるのだとか。島は個人の持ち物なんだって。
九十九島にはもうひとつ言い伝えがあって、それは日本昔ばなしでも放送されていた民話。それを聞いた時、あーなんて日本を象徴するお話しなんだろうって心にストンとはまり、やけに納得してしまいました。
この一里島、実際にあるんですって!私たちは見ていないけど場所を教えてもらいました。それはこちら。
さてクルーズで見せていただいた風景も紹介します。
このハマボウは一日花。咲くと翌日には枯れてしまうんだって。温暖な気候の海岸に生息する花だそうです。
恵比寿神社。これまた関西人にとったら『商売繁盛で笹もってこい』でお馴染みのえべっさん。商売繁盛以外に、ここでは航海や漁の安全、海の守り神として祀られているのだそう。なんでも恵比寿様は元々はくじらの化身なんだって。長崎県は日本一くじらの消費量が多い県とも言われていますね。恵比寿様と言えば鯛を抱えているけど、「めでたい」からそのようになったのかな。
最後に船長さんが教えてくれたのが九十九島を眺める季節。夏の時期は南から湿った空気が流れてきやすく雲の多い日が増えるんだって。日中は晴れていても夕方になると雲だらけって日が多いのだとか。
太陽の沈む位置も冬がおすすめだそう。昔は冬もクルージングしていたらしいけど九州長崎とは言え、冬は寒くて乗客があまりいないから運行しなくなったんだって。
下の写真左側が冬の時期に沈む太陽の位置。島越しから海に沈む夕陽がきれいなんだとか。夏は島に夕陽が沈む感じになっていまうから冬がおすすめだと船長さん。
なかなか内容の濃いクルーズだったな。船長さんが饒舌だったのがよかったのかも。いろんなことをお話しして下さいました。
すっかり日も落ちたので佐世保駅に帰ろう。
レンタカーを返却して今日の夜ご飯は旅の恒例、ご当地スーパーでお買い物。
佐世保駅改札外構内にスーパーエレナがあります。
佐世保と言えば国際的でアメリカンなイメージがあったけど、それはあくまで表面的な部分だけで、歴史を紐解くと、長崎県佐世保は日本であることの芯の部分は今世にきちんと語り継がれていることを知ることができました。
そこで思い出したのが駅にあるこれ。
佐世保を代表する郷土民芸がこのコマなんです。幼少期に一度はコマを手にしたことあるのではないでしょうか?この佐世保ごまは名前の通りお互いをぶつけ合い競って遊ぶ古くからある玩具です。やっぱり佐世保は日本の心が根付いてますよね。
佐世保バーガーやレモンステーキもアメリカンフードだけれども、その豪快さも壊すことなく受け継いでいるのに、あっさりとして食べやすいのはそこに日本の心と言う隠し味が添えられているからかもしれません。
よし!明日も食べるぞー(笑)
くろしお
佐世保駅周辺の飲食店は意外と早く閉まります。そんな中スーパーエレナは夜10時まで営業していて助かりました。
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