お金が無くても。
学生時代ヒッチハイクをしていたころ、乗せてくれた社長が「お金はメンタル安定剤だよ。」と言っていた。
お金があると心に余裕ができて人に優しくできるし、恵まれない人に支援をしたり寄付することもできるようになる。
そう聞いた。
最近はまさにそれを実感していて、お金が無い俺は常に不安で心が落ち着かない。
お金が無いとお金のことばかり考えてしまい、心に余裕が生まれないのだ。
どうやったら楽に儲けられるかを常に考えてしまう。
多分、闇バイトに手を出したりする人もこういう思考回路なのだろう。
そんな思考回路に支配される日々の中、俺は遂に儲け話を見つけた。
怪しい話ではない。
ノーリスクで確実に儲かる美味い話である。
方法はとても簡単だ。
知り合いにWINTICKETという競輪のアプリをインストールしてもらい、俺の招待コードを打ち込んでもらうだけである。
今は正月キャンペーン的なやつをやっていて、招待コードを打ち込むと3等1000円、2等2000円、1等10000円分のポイントが貰えるクジが引ける。
それで得たポイントをそのまま換金することはできないが、そのポイントでレースを買い、当たればその払い戻しは全額換金することができるのだ。
つまり、このポイントでめちゃくちゃ硬いレースを買って当てれば簡単にお金が手に入るのである。
これは完璧な作戦と言えるだろう。
早速、家族のLINEに
「いい儲け話がある。」
と送り、招待コードとURLを添付した。
妹から「きもすぎやろ。」と一蹴されてしまう。
必死に内容を説明し、何の損もないということを熱弁するが、遂には家族から返信がなくなった。
俺には信用が無いらしい。
俺は家族に見離されたのである。
よく考えれば儲け話に乗るやつというのは、俺と同じく金がない奴の可能性が高い。
仲がいい同期のみうらちっちに
「儲け話がある。」
と声をかけたところ、
「どうしたん?どういう系?」
と、なかなか良い食いつきだ。
内容を説明すると、少々手間取りながらも無事登録してくれた。
招待された側も同じくポイントが貰えて、そのポイントを全額使い切ると俺もポイントが貰えるシステムになっている。
早速レースに賭けてもらうが、みうらちっちの買った5番のレーサーは全然ダメだった。
そもそも5番の選手はこんなに?と思うくらい太っていた。
とても気まずい感じにはなったが、俺は無事千円分のポイントを得ることができた。
みうらちっちには
「また儲け話あったら持ってくるわ。」
と告げて即退散。
お金というのは、こうやって稼ぐのである。
お金があれば心に余裕が生まれるのかもしれないが、お金がなければお金を稼ごうという野心が生まれるのだ。
とはいえ、心の余裕というのは常に持っていたい。
昨日ほんの僅かだが、能登半島地震の募金をした。
小さい頃に「日本人全員から100円貰えば億万長者になれるやん」と考えたことがあるが、それをみんなが能登半島にすれば少しは復興の足しになるはずである。
あの時の社長もきっと今回のことで色々と支援しているのだろう。
お金が無くても無いなりに、俺も少しはやれることをやろうと思っている。
下に能登半島地震の募金用URLと、WINTICKETの招待URLを貼っておくことにする。
2つ貼っておけばどちらか片方は触ってしまうはずだ。
WINTICKETの友だち招待コード「PAHONP2U」
いや、2つ触ってくれてもいいんですよ。
普通にWINTICKETの方も、お願いします。
おしまい。