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「知っておきたいあの話vol.10」を終えて〜『国際制裁』って何ですか?〜

隣のアノ人ってどんな仕事をしているの?という素朴な疑問から始まったこの企画。今回で無事10回目の開催も終えることができました。

毎回、お申込みを頂けて本当に嬉しいです。参加して下さって本当にありがたかったです。

<登壇者のご紹介>
福本さんは、ACAMS(金融犯罪の撲滅を目的とした、世界最大の国際的な会員組織)日本オフィスで事業推進カントリーマネージャーとして勤務しています。

実は福本さんは2度目の登壇なんです!前回はマネロンについてのお話をして頂いています。

今回のイベント概要は以下のイベントサイトに詳しくありますので、ご覧になって貰えると嬉しいです!

前書き

制裁って語感がとても強いので、気になっていたんですよね、制裁ってどういうことなのかと。制裁の基本のキを話して頂く機会を持てて非常に勉強になりました。

今回の私の学び

どこか他人事とも思っていた制裁ですが、実際は個人や組織、企業に対して行われるもので、国対国という事ではないのを初めて知りました。なので、ビジネス活動の中で制裁対象となる組織や企業と取引することも制裁対象取る可能性があるので、実は日々の生活のすぐそこにある話なのだなと思った次第です。前回福本さんに話してもらったマネーロンダリングの話を聞いたときにも同じような感想だったんですよね。

黒坂のイベントメモ

制裁の目的、制裁の歴史、制裁の種類、誰が制裁を科すのか?、制裁の対象となる人は?といった、内容を話しをしてもらいました。

制裁の起源は紀元前ってのが驚きでした。

制裁の歴史

制裁は主に戦争の一形態として運用されていたんだと言うある意味当たり前の事実を知りました。

現在は、特定の個人や企業や組織を狙い撃ちするような制裁方法(スマート制裁)が主流とのことで、それもまた驚きで、私は国対国の制裁とばかり思っていたので、そもそもそこから違うのかと…

制裁って身近なのねと思ったスライド

制裁を科す側は国連や国があるのですが、イメージ通りアメリカがもっと多くの制裁規制を持っているとのことで、その制裁発動も国益に則っているかどうかで判断されることが多く、同じようなことをしても制裁されたりされなかったりすることはあり得るというのが現状。

ビジネスを行う事業者や銀行などは、どの国がどのような制裁を今実施しているのかを知っておかないと、知らずに行った海外取引が制裁対象だったりすると巨額の罰金を支払わされることもあり、制裁への対応が今求められているとのことでした。これを制裁デューデリジェンスと言い、相手顧客の身元確認など色々なチェック項目を確認する制裁スクリーニングが大切だと言います。

色々なことを気にしながらビジネスをするというのは、それだけ時間と労力そしてお金が掛かるので、長い目で見ると制裁が行われるような世界というのは、多くの人にとって良いことではないなと改めて思いました。

世界がきな臭くなるとこうした制裁というチカラで抑え込もうとする流れになるのだとすると、今世界は非常に不安定なんだなと感じざるを得ません…

講演中の質問内容(抜粋)

経済制裁と戦争(武力行使)の線引きはどこにあると考えると良いでしょうか?軍隊を用いて物理的な封鎖をすることも経済制裁に含まれるとすると、戦争との線引きが曖昧のように感じましたが、武力衝突に至る前までが経済制裁との考えで良いでしょうか?
財務省やOFACは、どのようにして制裁対象となる個人や企業を特定・指名するのでしょうか?米国や日本国籍でない個人が人権侵害となる動きをしたり武器取引などに関わっていたとしても、それを探知することが現実的には難しい部分もあるように感じました。
人力ではどうしても対応が困難に感じます。コンピュータ/サービスによる検出について詳しく教えていただけるとありがたいです。
双日香港の件ですが、米ドルで取り引きしていなければ制裁対象にはならなかったということでしょうか?
制裁国と取引をすること自体、金融機関としてはリスク要因と捉えますが、事業法人の制裁国との取引自体は香港では問題視されないのですか?
国内の金融機関ではFATFの勧告を満たしていないためマネロン対策は米国に比べるとまだまだだ発展途上だと認識しています。何年か前、邦銀でも制裁国に送金していたことで多額の罰金を支払った例もありました。金融機関以外の国内の事業会社においては、制裁スクリーニングなどはきちんと行われているのでしょうか?お分かりでしたら教えてください。
現状、ロシアに制裁している結果、制裁する側/される側/第三国…全てが全身傷だらけになっているように感じます。現状についての所感をお聞かせ願えると大変ありがたいです。


福本さん、ご登壇ありがとうございました!

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黒坂宗久(黒坂図書館 館長)
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