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【読書メモ】傾聴のコツ(金田諦應)【#33】

傾聴には
ずっと興味があったものの
本屋で見かける
入門書みたいなのは
テクニカルなこと
ばっかりで、
傾聴のセミナーをしている団体の
メルマガとかも
読んでいたのですが、
いまいち
何かしっくり来ないところが
多々ありました。

たまたま
この本に出会って
積ん読になっていたのですが、
読み始めたら
あっという間に
読んでしまいました。

こういう
傾聴の本が
読みたかった。

著者は
曹洞宗のお坊さんです。

東日本大震災の後、
被災地で
「カフェ・デ・モンク」
という移動式の
傾聴喫茶をしながら、
おそらく
試行錯誤しながら
身に付けた
傾聴の到達点のような
本です。

震災が2011年
この本の初版が2018年なので
約7年間の集大成
というか
この人の到達点について
書かれています。

ベースがお坊さんなので
やはり仏教色は強いですが、
日本人であれば
無理なく
するっと入ってくると思います。

また、
キリスト教の
シスターや神父さんの
エピソードや
マザー・テレサの
話なんかも出てきます。

到達点
と書いたように、
試行錯誤の部分は
出てきません。

最終的に
こういう「傾聴」
をするのが良いよ
という話です。

個人的には
もう少し
途中の話というか、
どういう風に
その心境に至ったのか、
最初から
その傾聴ができたのか、
などなど
知りたいことが
たくさん出てきました。

最後に
傾聴とは関係ないのですが、
最後の最後に
仮設住宅で亡くなった
二歳半の女の子
の話が出てきます。

僕は、
もともと
無常観が強く、
命の重みを
感じられないというか、
人は必ず死ぬから
常に「死」を考えてしまって、
基本的に
明日の朝も
目が覚めるのだろうか?
もしかすると
目が覚めないかもしれないな
と、いつも思っていて、
死ぬために生きている
というか
そんな感じが強いのです。

このnoteのように
本を読むのは好きですし、
勉強もしていますし、
仕事もしていますし、
生きているうちは
一生懸命
できることをしよう
と思っているのですが、
なんとなく
でも、そのうち死ぬよな
と思いながら生きています。

そうこともあって
犬の命、
猫の命、
虫の命、
人の命に
違いがあることが
いまいち
よく分からないのですが、
この最後の
ほんの短いエピソードで
なるほど・・・
天寿か・・・
というところが
すっと腑に落ちました。

天寿という言葉は
知っていましたが、
この本をずっと読み進めてきて
慈悲の心で傾聴するという話が
ずーっと続いた最後に
このエピソードがあったのが
良かったのかもしれません。

こういう経験をすると、
やっぱり読書は
やめられないなと
強く実感します。

おわり


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