【武術】リアル教室を始めてみます【武道】
長年通っていた教室を辞めたのですが、やはり広い場所がないと練習しにくいなと思って探していると、近くの体育館が日曜に使えそうだということが分かりました。なので10月の中旬あたりから、とりあえずは自分の練習のために場所を確保するということで、並行してリアル教室も始めたいと計画しています。
場所は、中央線の先にある、青梅線の小作駅から歩いて17分、羽村駅から歩いて19分くらいのところです。時間は日曜の夕方です。
教える内容としては、「太極拳から学ぶ会」なので、まずは古伝楊式太極拳です。
古伝楊式太極拳
楊式太極拳というのは、伝統太極拳の中でも代表的一派です。起源には諸説ありますが、河南省陳家溝在住の武術家陳長興について陳家太極拳を学んだ楊露禅が、大成の後に独自の創意工夫を施して創始されたものといわれています。
その後、楊露禅の拳は子である班侯/健侯へと受け継がれ、更にその孫である(健侯の子)少侯/澄甫へと伝承されました。楊露禅の孫である、楊澄甫が陳氏の拳法の剛の一面を取り除いて柔の特徴を主とした「楊氏太極拳」を確立したとされています。この楊澄甫が改編した「楊氏太極拳85式」が現代において「楊式太極拳」と呼ばれているものです。
田兆麟は始めに楊健侯に見初められ、その後、楊少侯、楊澄甫と二代三名に学びました。その技術が非常に優れていたので、ある者は「田派」と称することもありましたが、常に「私の拳は楊家のもの」と答えていたそうです。僕が学んだ古伝楊式太極拳は、田兆麟が伝えたもので、楊澄甫が改編する前のものと思われます。そのため、現在伝わっている楊式太極拳とは風格が異なり、纏絲勁は内包され外からは見えなくなっていますが、勁の流れは感じやすく、珍しい伝承だと考えられます。
もう一つは形意拳(山西派)です。
山西派形意拳
形意拳というのは、太極拳、八卦掌とともに、内家三拳の一つに数えられます。民末清初に山西省の姫際可によって興されたとされます。この姫際可の拳は心意拳と称し、そこから心意六合拳と形意拳ができました。形意拳は、大雑把に分類して山西派・河北派・河南派に分かれ、山西派は形意拳の古伝の形として近年マスコミでも注目を集めているようです。
現在の形意拳の形と名称が整い広く知られようになるのは、河北・李洛能先生の代になってからです。河北派には劉奇蘭、郭雲深、李存義、張占魁などの諸先生、山西派には車毅斎、宋世栄などの諸先生がいます。
形意拳の技法は、直線的で単純簡明、質実剛健と言われています。理論的基盤は「陰陽五行説」であり、基本技は木・火・土・金・水に配当された五本の拳から成る形意五行拳です。
シンプルな流派だと言われる割に、内容を整理すると意外とやることがいっぱいあります。十二形と言いながら2つあるものもあるので、19個あって、さらに鷹熊合一という套路があるので20個になります。
(1)三体式 ・・・ 站樁功
(2)五行拳 ・・・ 劈拳(金)、崩拳(木)、鑚拳(水)、炮拳(火)、横拳(土)
(3)十二形拳 ・・・ 龍形拳1,2・虎形拳・猴形拳・馬形拳1,2・黽形拳1,2・鶏形拳・鷂形拳・燕形拳1,2・蛇形拳1,2・𩿡形拳1,2・鷹形拳1,2・熊形拳
(4)五行連環拳 ・・・ 套路
(5)八式拳 ・・・ 套路
(6)十二洪捶 ・・・ 套路
(7)内功盤根 ・・・ 套路
(8)五行対練 ・・・ 対練
(9)五花砲 ・・・ 対練
(10)形意生剋拳 ・・・ 対練
(11)安身炮 ・・・ 対練
(12)形意連環刀 ・・・ 武器
(13)形意大槍 ・・・ 武器
最後に、八卦掌です。
游身八卦連環掌
僕が学んだものは游身八卦連環掌と呼ばれていて、形意拳の身体の使い方(力の出し方)も必要になるので、基本的には形意拳を終えた人でないと学んでも中身が伴わないものになってしまいます。
太極拳、形意拳とともに、内家三拳の一つに数えられます。清国末に董海川先生によって世に知られるようになりましたが、それ以前のことは定かではありません。董海川先生の弟子には、程廷華、李存義、尹福、馬維祺、魏吉、宋永祥、宋長栄、劉鳳春、梁振普、張占魁、史六、王立徳などの諸先生がいます。伝承により、内容にかなりの違いがあります。
直線的で単純簡明、質実剛健な形意拳に比べて、八卦拳の技法は曲線的で変化無窮、融通無碍と言われます。理論的基盤は「易」であり、陰陽の変化を体現しています。無極に始まり、太極、両儀、四象、八卦、六十四卦と変化の次元が増えていきます。
技は全て開掌で行い、掌打、投げ、関節、蹴りなどの技を曲線的に歩きながら行います。練習法は通常、走圏といって円周上を歩きながら行います。八卦掌は、他の「内家拳」門派と比べて練習体系が公開されていないためか、他の門派よりも一層神秘的に見られていることが多く、また動きが優雅なので誤解が多いのですが、実際には極めて攻撃的な流派です。変化に富むのが特徴で、一般的に太極拳は柔らかい、形意拳は剛直と見られており、太極拳は「柔」を表す皮革球、形意拳は「剛」を表す鉄球に喩えられ、八卦掌は鋼の糸を編んだ鉄糸球と喩えられるが如く、剛でもあり柔でもあります。
蹴り技は秘して他には見せないことになっています。七十二暗腿、七十二暗脚と呼ばれるように、多彩な蹴り技があります。「七十二」は「多い」ということを表す数字で、実際はもっと多くの技があると思われます。
八卦掌も套路が多いです。以下の套路の(1)(2)は全部左右あるので、全部で32個になります。竜形掌は各段の左右は決まっているので8個、穿九宮が長いのですが1個、合計で41個もあります。
(1)八大掌(単換掌・双換掌・転身掌・背身掌・披身掌・摩身掌・三穿掌・平穿掌) ・・・ 套路
(2)八形掌(鳳形掌、龍形掌、熊形掌、虎形掌、蛇形掌、猴形掌、馬形掌、鷹形掌) ・・・ 套路
(3)竜形掌(一段~八段) ・・・ 套路
(4)穿九宮 ・・・ 套路
(5)子母鴛鴦鉞 ・・・ 武器
ということで、興味ある人は問い合わせフォームから連絡してください。ホームページも作成中なので、できたら紹介します。
級とか段とか
それぞれの進歩具合がわかるように、段級システムを設定しようと思っています。八卦掌4級とか、形意拳1級とか太極拳初段とかを取れると励みになるだろうと。初段、二段、三段とするか、初伝、中伝、奥伝、皆伝という感じにするかは迷っています。そんなに難しいハードルは考えていないので、真面目に練習を続ければ取れるような設定にして、多くの人が二段、中伝くらいまでは行けるように。成果が見えるのって大事、やる気スイッチになることが重要だと思っています。達人よりも、健康人を目指す感じです。
動画
どんな動きをするのか分かった方が良いかなと思ったので、ちょっとだけ一人練習の動画をリンクしておきます。
古伝楊式太極拳
形意拳
八卦掌
おわり