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通勤に楽しみを見出そうと思ったはなし

こんばんは。

今日も仕事から帰ってきました。
仕事はもちろん、通勤と言う行為がなかなかの労働です。
特にここ最近の息苦しいほどの暑さでさらに過酷になっています。

通勤が楽しいと感じている方は、どのくらいいらっしゃるのでしょう?
個人的には、満員電車は辛いし、残業・寝不足でポンコツの時は苦行と言っても良いのではと思っています。

では、通学はどうだったでしょう?
小学校から始まり高校、大学、と、家から学校までの道のりで起きたこと、出会った人やモノ、意外と覚えている気がします。
何だか楽しい、もしくはちょっと苦い思い出が少なからずありそうです。

◇◇◇

ラジオ番組で募集していた「通学路のはなし」を聴いていたら、そんなことをもやもやと思い出しました。

ラジオを聴かない方も多かろうと思うので少しだけ補足を。
ラジオでは番組内でお題を決め、メールやツイッターを通してリスナーからメッセージを募集するコーナーがあります。

(失礼を承知で言いますと)基本的に聞き終わって1時間後には忘れてしまうような、しかも忘れても生活に全く支障も損失も無いようなお話がほとんど。
でも、ほくそ笑むくらいの可笑しさが詰まっていて、夜や休日のお疲れ気味の脳みそには心地よい。
パーソナリティもアナウンサーや芸人さん等いわゆる「有名人」が多いのですが、「ふつうのひと」のメッセージに「私も!」「あるある!」と共感した上、良い意味で尾ひれをつけて世間話を繰り広げてくれる。
そんな、ゆるゆる~とした温い感じがラジオの素敵なところなのです。

◇◇◇

少々脱線してしまいましたが、そんなゆるーいラジオ番組で募集された「通学路のはなし」。
「単なる家と学校の往復じゃん」では片付けられないくらい楽しい旅路の物語がたくさん集ってきました。

学校の帰り道に江戸の古銭寛永通宝を拾い、自分は寺子屋に通っていたのか?と今尚疑っている女性。
(昭和50年前後の小学生の頃の思い出話とのこと)
小学生の頃に放送されていたシャンプーのコマーシャルでの金髪のおねえさんをマネて、家に向かって歩きながら髪の毛を振って思いっきり後ろを振り返った瞬間、電柱に頭を強打して脳しんとうを興したパーソナリティの女性アナウンサー。
(ちょっと得意げに振り返った自分が恥ずかしく気まずかったという当時の気持ちを今でも覚えているらしい。)
などなど。

みなさん少々のアクシデントがありつつも人に話したくなるような思い出があるのですね。
放送時の楽しさをこの場でお伝えする力がないのがもどかしい。

自分も、小学校から家まで何歩で帰れるか伊能忠敬よろしく数えてみたり。
で、途中八百屋のおじさんに声かけられ、歩数カウントが全部吹っ飛んで泣きそうになったり。
些細で取るに足らないことだけれど、そんな些細なことに熱中できた当時の自分がうらやましい。

大学を除けば今の通勤の方が時間も距離も長いのに、語れるものがぱっと思い浮かばず、ちょっと乾いた気持ちになりました。
「家と会社の往復」が退屈な毎日を表す言葉になったのはいつの頃からだろう?
家から駅まで、電車の中で、いろんなものが目に映って耳に届いているはずなのですが、刺激に感じて無意識にミュートをかけてしまっているのかもしれません。
◇◇◇

すぐに通勤を楽しくはできないけれど、ちょっと寂しいな、と思った今日この頃。
ひとまず、家から駅までの道のりを、いつもより少しだけ目を見開いて歩いてみました。

割れんばかりのセミの鳴き声を聞きながら歩き出すと、家を出てすぐにセミの抜け殻に遭遇。
横断歩道を渡ろうとふと足元に目をやると、力尽きたセミを見つけました。
お誕生から臨終までを数分の間に出くわし、朝から切ない気持ちに。

久しぶりに通勤中に心が動いた感じがしました。

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