まずは400字の文章を書いてみる。原稿用紙1枚分を書くために必要な3つのこと。
第11回目は「400字を書くために必要なこと」について書いていきます。
なぜ400字なのかと言うと、ちょうど原稿用紙1枚分だからです。
出版業界ではパソコンスマホ、タブレットなどデジタル機器が当たり前になった今でも原稿用紙〇〇枚分と字数を換算します。
ようするに、どれだけの長編小説だって400字の積み重ねでできているということ。
400字の文章が書けることが、あなたの書く力の土台となります。
また、400字の文章を書くメリットは他にもあります。
5W1Hで文章の情報不足を補う
情報を過不足なく伝えるための「型」として5W1Hというものがあります。
まず5W1Hを意識して文章の「骨格」を作っていきます。
たとえば「友だちとカフェに行ったこと」を書くとしますね。
この文章を5W1Hに当てはめて分解してみると、以下のようになります。
ただ「友だちとカフェに行った」と書いただけでは「場所」「時間」「理由」が明らかではありません。
そこに5W1Hを意識して文章を加えると不足していた情報を補うことができます。
最も感動したことに絞って書く
5W1Hを意識して文章の「骨格」を作ったら、次は「最も心が動いた瞬間」について書いていきます。
つまり、文章の核になる部分です。
ここのカフェの「何に感動したのか?」を掘り下げてみましょう。
400字の文章では感動したことを3つも4つも盛り込んでは1つの感動を深く味わうことができません。
むしろ1つの感動を伝えることで400字でも読みごたえのある文章になります。
たとえば「フルーツパフェのおいしさ」が最も感動したことだとしたら、
このように「パフェがおいしかった」ことに注目すると、
と3つの場面を描写することができ、パフェを心持ちにする様子から食べたあとの余韻まで表現することができます。
感情、理由、体験の3つを揃えて書く
「作文は起承転結で書くんだよ」と習った記憶はありませんか?
でも、起承転結に当てはめなければいけないという意識が文章を書くことを難しくしていると僕は思います。
「ここまでは起」「ここからは承」と意識すればするほど文章の自由さを失われ、書くことが楽しくなくなります。
また「いや、そもそも起と承の違いは何?」「転の意外な展開ってどう書くの?」という戸惑いが書き手を迷わせます。
あなたの感動を文章にするには、
この3つがあれば十分です。
さきほどのフルーツパフェの文章なら、
ムリに起承転結に当てはめるより「感情、理由、体験の3つが揃っていればいい」くらいの気持ちで書いたほうが気負うことなく書けると思いますよ。
今日紹介した「5W1Hで文章の情報不足を補う」と「感情、理由、体験の3つを揃える」を意識すれば400字の文章が書けるようになります。
そして、400字を継続して書く力が、その後の800字、1,200字と長い文章を書くための土台になります。まずは400字の文章を書くところから始めてみませんか?