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自分の好きを知り、自分の好きを否定しない。好きなこと(もの)を書くときの考え方
感じたまま、思ったままを文章を書くことで、自分でも思いもよらないところに考えが着地します。
それはそれで楽しいのですが、やっぱり自分の好きなこと(好きなもの)に触れているときが生き生きとしています。
とはいえ自分の好きなことを文章にするのは難しい。それに加えて話せるのに、書けないというもどかしさがあると思います。
そこで第12回目は「自分の好き」を文章で表現するための考え方について書いていきます。
まずは「〇〇が好き」とシンプルに文章にする
僕はラーメンが好きなんですけど、その「ラーメン愛」を語ろうと思えば身振り手振り、表情やリアクションを使って、全力で語ることができます。
でも、その「ラーメン愛」を文章にしようと思うと、自分の気持ちを正確に表す言葉を探しながら書かなければいけません。
「好きなことを自由に書きましょう」と言われて、文章が思い浮かばないのは言葉を選ぶために慎重に、冷静になるからかもしれません。
だからこそ、書き出しに悩んだまま書き出せないのであれば、まずは「〇〇が好きだ」とシンプルに書き出しましょう。
そして、すぐさま「なぜなら」と好きな理由に続けばいいんです。
理由を述べたら、あなたの好きなことに関する具体的なエピソードを明かします。
「〇〇が好き+理由+具体的なエピソード」があれば、あなたの好きは表現できます。
好きなことならスラスラとエピソードが書けるかもしれませんが、もし言葉に詰まったときは、
いつ、どんなときにするのか?
いつごろから好きになったのか?
1日(1週間)のうちにどれくらいするのか?
それをしているときの具体的な様子は?
など自分に質問をぶつけて、話を広げましょう。
「好きなこと」をいろんな角度から言語化する
就職活動の自己PRを書くとき「あなたはどんな人物ですか」の質問に困った経験がありませんか?
自分の長所・短所だけでなく得意なこと、できることが把握できていないと、なかなか一言では表す事ができません。
つまり、人は「自分のことはわかっているようであんまりわかっていない」ということです。
これは自分の好きなことにも当てはまります。
たとえば「映画が好き」といっても自宅でくつろぎながら観るのが好きな人と映画館で臨場感を味わいながら観るのが好きな人で分かれますよね。
また、吹き替え派と字幕派でも分かれると思います。
そのため「映画が好き」は大きな枠組みでしかありません。
「何の、どこが、どういうふうに好きか」を言葉にしていくと、あなたの好きはより細分化されます。
細分化された「好き」は、あなただけの切り口として、あなただけにしか書けない文章になります。
✅映画館派、自宅派それぞれのこだわりについて書ける
✅吹き替えが好きだから、演技のうまい声優について書ける
✅字幕が好きだから、声が魅力的な俳優について書ける
自分の好きなことを、いろんな角度から原稿するにはマンダラート(マンダラチャート)がおすすめです。
マス目にアイデアを書き込むことで思考を整理したり、広げたりすることができます。
①紙に9マスを書く
②真ん中のマスに「好きなこと」を書く
③どういうところが好きかを周りのマスに書く(全部で8項目書ける)
④さらにアイデアを広げたいときは、アイデアを広げたい項目を、新たに真ん中のマスに書き、周りのマスに思いつくアイデアを書いていく
「好き」×「好き」をかけ合わせて書く
どれだけの時間をかけているか、どれだけの頻度でやっているかの差はあっても、好きなことは1つだけではないと思います。
だからこそ、好きなことを組み合わせれば組み合わせるほど、自分だけの世界観を作れます。
あなただけの世界観こそ、あなたにしか書けない文章の源泉となります。
たとえば「映画を観たこと」について文章を書くとき、あなたならどんなことを書きますか?
一般的にはレビューや感想文、考察などではないでしょうか。
たしかに映画を観たあとは誰かの感想が読みたくなります。
「エンディングをそう解釈するのか」とか「やっぱりあのシーンがいいよね」と答え合わせをしたいからかもしれませんね😆
でも、映画の感想をストレートに表現したものは世の中にたくさんあります。
「自分にしか書けない映画の感想を書くには?」という視点を持つなら
映画 × ほかの好きなこと
を意識してはどうでしょうか。
【ファッションが好きな人】
登場人物が着ているファッションに注目すれば「原作マンガとはここが違う」や「こうすればコーディネートに取り入れられる」という文章が書ける
【グルメ・料理が好きな人】
登場人物が食べたものや訪れたお店に注目すれば日本でも同じような料理が食べられるお店を紹介したり、実際にその料理を再現したりして文章が書ける
【旅行・観光が好きな人】
映画のロケ地(ホテル、遺跡など)に注目すればロケ地を巡る旅行プランやロケ地がある国への行き方について文章が書ける
映画がおもしろい、おもしろくないと述べた感想文よりも、あなたが好きなことを活かした感想文が書けそうじゃないですか?
「好きなこと」や「好きなもの」を通して世界を見る
もちろん「好き」×「好き」が噛み合うときもあれば、噛み合わないときもあります。
大切なのは「自分の好きなこと(好きなもの)のフィルター」を通して世界を見ることです。
週末に「友だちとの予定」や「旅行の計画」がある。心はウキウキして、その日が来るのが待ち遠しいですよね。
それと同じように好きなことや好きなものについて考えているときも「楽しい」「ワクワクする」「しあわせ」とポジティブな感情が浮かんでくるのではないでしょうか。
自分の好きを知り、
自分の好きを否定しない。
これまで忘れていた「好き」も、これから実現したい「好き」も、きっと文章は思い出させくれますよ。