PC spin-off4 "水沢 信祐"
けたたましい轟音が、頭上を通過していく。
今日も空は忙しなかった。
地元は航空基地のそばだった。兄貴はいつもつまらなさそうに、弟の俺共々が父親に連れられてよく基地を見にきていた。飛び立つ機械を眺めては、心揺さぶる浪漫を感じていた。父は「これが俺の自慢なんだ。父さんがいなきゃ空へ飛べないんだ」と口癖のように呟いていた。兄貴は変わらず、その言葉も空に消えてったようだった。
高校まで特に頭を悩ませる素振りすらなく、
特に夢を考えることもなく進んでいた。
それでも進路は問われるも