いまからお仕事小説を書く
参加動機と講師
今回の「中山祐次郎×秋谷りんこ「お仕事小説を書こう!」トークイベント」への参加動機は、秋谷りんこさんへの想いが根底にあった。
BSテレビ東京「あの本読みましたか?」での仕事小説についての明快な解説に感銘を受け、note創作大賞受賞者ということも知り、ますますその作品世界に惹き込まれた。
講師の秋谷りんこさんは、仕事を通して人間を描く「お仕事小説」の第一人者ともいえる。その豊富な経験と深い洞察に基づいたお話を堪能した。
中山祐次郎さんのコメントについては他の記事にお任せし、主に秋谷りんこさんのコメントを中心に整理したい。
お仕事小説とは?
「お仕事小説」とは、仕事というフィルターを通して人間を描いていくもの。仕事は、私たちの人生において大きな部分を占めるため、「誰でも書くことができる」という点が特徴だ。しかし、単なる仕事描写ではなく、仕事を通じて人間たちの群像劇を描くことを忘れてはならない。
書くための準備
秋谷さんは、書くための準備として以下の点を強調していた。
読書: 年間130冊という驚異的な読書量。特に「売れる作家の全技術」を薦めていた。
取材: 現場を離れているため、元同僚にヒアリングを行い、仕事を通して人間を書いている一方で、人間の本音はわからない(表に出てこない)ため、それを引き出す必要があると語られていた。
世の中の事件、事故: その背景にはツライ思いをされた当事者が存在する。単なる消費されるコンテンツに陥らないことが大事と強調されていた。
どうやって書くのか?
具体的な書き方としては、プロット、登場人物の相関図、キャラクター表の作成などが挙げられた。特に、プロット作成では、縦軸に時期、横軸に場所を設定し、イベントとオチまで書き込まれているとのこと。また、登場人物の相関図を作成することで、登場人物間の感情の線を整理し、キャラクター表にペルソナを設定することで、より深く登場人物の動きを想像できるようになるとのこと。
推敲について
秋谷さんは、推敲の際に、横書きで原稿を作成した後に、画面上で縦書きに変換し確認、修正、その後、縦書きで紙に出力し確認、修正することで別の視点から原稿をチェックできると紹介されていた。
オリジナリティについて
オリジナリティを出すためには、「好きなもの」を複数かけ合わせていくことが有効だと説明されていた。例えば、「看護師」×「不思議要素」のように、異なる要素を組み合わせることで、唯一無二の作品を生み出すことができるとのこと。
人間を描く
物語がスタートする前から、登場人物は存在している。その登場人物の歴史を整理することで、より深みのある物語を描くことができる。また、専門用語の説明に関しても、物語の場面にド素人を登場させ、その人物を通して専門用語を説明する方法や専門用語にルビを振るテクニックが紹介された。
まとめ
今回の勉強会を通して、お仕事小説を書くための具体的な方法や、人間を描くことの重要性などを学ぶことができた。秋谷りんこさんのお人柄と深い知識に触れ、私もお仕事小説に挑戦してみたいという気持ちが強くなった。今回の勉強会を参考に、読者がわたし自身向けの作品から創出していきたい。
おまけ
現地でイベントに参加することで楽しいこと3選
①個人の撮影可、SNS投稿不可のコンテンツに出会える
②直接、登壇者に質問できて、回答をもらえ、ほっこりできる
③サイン本を入手できる
「中山祐次郎×秋谷りんこ「お仕事小説を書こう!」トークイベント」の動画はこちらから。