NITTONO,Futoshi

システム開発|東京マラソン|子育て|日本酒|自転車|関係人口|読書会

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最近の記事

ある日突然、大切な奥歯をなくした。喪失感と向き合いながらも、自分の“喜び”を大切にできるようになるまで  

 2024年11月8日、大事な左下の奥歯がぬけた。  千葉で生まれた私は、幼い頃から魚をたくさん食べた、骨せんばいも焼いてもらったし、外房の海で防波堤釣りを教えてもらったし、誕生日プレゼントには『竿』や『リール』などの釣り具をもらった。 魚を食べる習慣を続けていたからだろうか、幼い頃から虫歯はなかった。 中学生のときには、健康な歯で学校の代表になったこともある。 「虫歯になりにくい。歯の色や唾液だね。」とコンテストの審査員に言われたことが、ずっと自慢だった。  そんな奥

    • 漫画が教えてくれた、家事の本当の意味

       わたしは58歳、IT企業に勤める会社員です。長年、システム開発に携わり、特に外国為替システムの担当をしていた頃は、現地との時差の関係もあり、ほぼ24時間体制で働いているようなものでした。 仕事は大好きでしたが、その分、家事にはほとんど何もしてこなかったのが現実です。  妻には、子どもの教育をはじめ、家事全般を任せきり。 そんな生活を送る中で、定年後の将来のことを考えると、このまま家事を何もできないのはまずいと考え始めました。  そこで、数年前に勇気を振り絞って妻に相談し

      • 2歳下の弟について語りたい

         2025年春。桜前線が北上する頃、私は58歳になった。窓の外には、若葉が芽吹き、新しい生命の息吹を感じさせる。暦の上では、4月のこの時季は、どこか心がざわつく。実弟の十三回忌を迎えるのだ。   2歳下の弟との年齢差は、まるで双子のように感じられるほど近かった。同じ小学校、中学校、高等学校へと進学し、学校生活でも喜怒哀楽を分かち合ってきた。 まさか、弟が私よりも先にこの世を去るとは、夢にも思っていなかった。  2011年夏に胃がんと診断され、わずか半年の闘病の末、彼は静

        • 砂漠を抜け出したプログラマーが見たもの

           私が携わったプロジェクトは、金融機関の資金移動システムの開発だった。若き日の私は、プログラミング言語を武器に、論理的な思考を駆使して、このプロジェクトを成功させると意気込んでいた。 「キミのプログラムは辞書か?」 冗長なコードをエレガントに書き換えられたり、現実は甘くなかった。 当初はそれでも順調に進んでいたプロジェクトも、中盤以降は様々な問題に直面した。想定外のバグ、顧客からの度重なる要求変更、そしてチームメンバー間の意見対立。まるで砂漠を彷徨うように、出口の見えな