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東京から全国へ感染が広がる危険性について―忘れた頃にやって来た第2波―

ここ数日、東京で感染者数が急増しています。13日(土曜)に24人、14日(日曜)に47人、そして15日(月曜)に48人。

この「48人」というのはどれぐらいの数字なのか?たとえばゴールデンウィーク後半からの推移と比べますと、5月4日が新規感染者数87人、5月5日が57人、5月6日が37人となっていました。それから5月下旬になってようやく新規感染者数が10人前後というレベルになり緊急事態宣言が解除されたのです。そこからジワジワ増加に転じて、ついに48人。というのが今の新規感染者数の数字なんです。

ちょっと前に語られていた「第2波」が、思いがけないタイミングでやってきてしまいました。NHKのグラフで見ると、感染者数が途中までは低下していたのに、また上昇に転じてしまっているのがはっきりとわかります。

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もはや緊急事態宣言も解除され、一部の業種への休業要請も全面解除になろうとしていたところであり、感染を封じ込める動きが後退していく最中に起きた感染者急増。

東京都では、当初の「東京アラート」の実施基準をとっくに上回っているにも関わらず「東京アラートそのものを無かったことにします」という方針転換。
今回の急増についても、小池知事の言い訳は、
感染者が出ていたホストクラブについて症状のない従業員にもしっかり検査を実施した「掘り起こし」によって増ているように見えるだけだ、
というものです。

しかし、検査で陽性が出るまでの間に、該当のホスト達が全員まじめに自宅から出ないようにしていたわけがなく、接客したり、店外でも誰かに会ったり、あちこち出歩いたりしていた可能性がたくさんあります。しかも一つの店舗だけではなくて、歌舞伎町の中でいくつもの店舗から感染者が多数発見されているのです。

これまでの記事でも紹介してきましたが、韓国では一か所で起きたクラスターについて追跡調査を実施してはいたが、追跡・隔離の網から漏れていたところから感染がどんどん広がり、その後も感染の連鎖が止まらない状況となっています。
今のように東京で感染者が増えている状況で、実際はすでに玉突き式に感染が広がっている可能性は間違いなくあります。15日の感染者48人の全員がホストクラブではなく、経路不明感染者がたくさんいます。

こうなってしまうと、東京から他の地域へ感染が広がる可能性も出てきます。政府が緊急事態宣言を出している間は出張を禁止していた企業でも、緊急事態宣言の解除・東京アラートの解除を受けて、他県への出張を再開するようになったところが多いのです。

実際に新幹線の乗車率が回復し、運行本数も増えています。

たとえばサラリーマンのおじさんが出張先でキャバクラに遊びに行くなんていうのはよくあるパターンです。このように、他の地域から来た人が東京のキャバクラやホストクラブで感染し、それを自分の地域に広げてしまう、ということが起こりうると思いませんか?そんなお店に行かなかったとしても、出張先で会議中に感染、久しぶりに会った仕事仲間と食事したときに感染…こんなことが十分に考えられます。
逆に東京から他の地域へ行った場合でも同じことが起きますね。

ちなみに、先述の夜の街(キャバクラ、ホストクラブ)に関しても、こういった店の客・従業員が他の地域へ出かけたりすることが一定数あります。

キャバ嬢が「今日は歌舞伎町で有名なキャバ嬢の○○ちゃんが遊びに来てくれました!」みたいなことをSNSに書いたりしているの見たことありませんか?
あるいは客の側でも「有名ホストの△△君に会いたくて、大阪から歌舞伎町までわざわざ来たんだよ!」みたいなパターン…

これらの「夜の街」については、従業員の定期的なPCR検査来店客の連絡先の記録などの対策を要請していこうという動きもあるようですが、これまでの感染から、すでに把握しきれないぐらい市中へウイルスが広がってしまっているのなら、今から対策したところで手遅れという部分もあるのではないでしょうか…?

国が対策できない、都道府県でも対策を打てない、それを言い訳に企業も対策しない。「怖いけど、会社に言われたので仕方なく東京へ出張します…」みたいなサラリーマンもいるでしょう。でも、そんな受け身な態度でいいのか?と思います。「感染者が多い地域には行くべきではないと思う。だから出張しません」と伝える勇気が必要ではないでしょうか…

日本の中でも、特に東京都は、すべての対応が遅い。意思決定に時間がかかりすぎで、ウイルスが広がるスピードに追い付いていません。

都知事の言動も、リーダーシップがなく、いちいち政府の動きをうかがってからしか判断できないので、自治体ならではの小回りの利く対応が欠けている。結果として、他の大都市圏(大阪・名古屋)が感染者ゼロを達成しているのに東京だけ感染が増えている。

それなら、もう職場単位、あるいは個人単位で、やれること・やるべきことをやっていくしかないのかなと思います。

たとえばリモートワークにしても、緊急事態宣言の解除に合わせてリモートワーク終了してしまった企業が多く、東京の電車は結局また満員。これは企業の側にも責任があるし、文句を言わずに我慢してしまう社員ひとりひとりにも責任があります。労働組合などの組織の力も使って、みんなで声を上げて解決していかなくてはいけないという部分もあるのではないでしょうか。

そして…もうひとつ大事なのは都知事選です。このまま小池さんに続けさせていいのか?
だからといって、「NHKから国民を守る党」だとか「れいわ新選組」だとか、怪しい政党の候補者に投票していいのか?
…ということを、都民のみなさんによく考えて投票していただきたいと思います。

現実的な選択肢は、宇都宮健児氏か小野泰輔氏のどちらかになると思いますが…