子宮の詩が聴こえない3-⑦
(⑥を読む)(第1章から読む)
■| 第3章 謀略の収束
⑦「底なし沼」
若田ショウが忽然と姿を消したのは、弥生祭から二日後の朝だった。
華襟町の商店街をぶらつきながら、鳩矢銀太郎はぼやいていた。
「何回電話しても繋がらんし、どこに消えたんや。若田のレンタカーがないと空港まで帰られへんやないか。タクシー代をミジンコブログ社に請求してもええんやろな」
それを聞き、そばにいた愛人のなっちゅうこと竹中なつみが明るく言う。
「わたし、車の鍵を預かってますよ。もう放っておいて帰