『読むミュージアム「肥後古流」』
タイトル:読むミュージアム「肥後古流」
監修:小堀俊夫
ジャンル:茶道、歴史、教養、人物評
発行年月日:2018年5月25日
発行元:有限会社マーズ
備考:
感想
この本の感想を書くにあたって、まず、この書籍を作った有限会社マーズという会社のホームページを覗きました。するとそこには、会社の目的として『全国の博物館や企業ミュージアムのデジタルコンテンツ開発と制作』とありました。コンセプトは『「読むミュージアム」。小さなミュージアムを訪れたように本を読むこと。』だそうです。
なるほど、最初のページからすべてフルカラー(!)見知らぬ博物館の背景の中に置かれた見出し……これが博物館で言うところのキャプションとなり、1ページずつ、丁寧に展示ケースやパネルの説明文に注目して、私たちはただそれを読んでいく。単純な本のデザインとしても「いかに『読む博物館』を作るか」というところに重きが置かれているように感じますし、とても「デジタルミュージアム」っぽいなと思いました。いや、アナログの本であることに変わりはないんですが(笑)きちんと、アナログの本を現実の、あるいはデジタル上で感じる博物館(美術館)に寄せようと考えたデザイン設計をされているのです。普通に贅沢な本だなと感じます。
そんな感じの本なので、カラーページに丁寧な解説がぎゅっと詰め込まれた一冊はまさに「肥後古流のミュージアム本」に相応しく、茶道のことは分からずとも受け継がれてきた伝統の素晴らしさ、関わる多くのものは読み取ることができます。肥後古流がどうして他の流派と少し毛色が違うのか? そんなところもしっかり見せてくれます。
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