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好き嫌いセンサーは人生のナビゲーターだと思う

私が大好きな漫画である「宇宙兄弟」。
大人にも夢や希望を与えてくれる、とっても素敵な漫画なのですが、
中でも私の一番のお気に入りが、天文学者の金子シャロン先生の、こちらの言葉。

迷った時はね、「どっちが正しいか」なんて考えちゃダメよ
日が暮れちゃうわ 
頭で考えなきゃいいのよ 答えはもっと下
あなたのことならあなたの胸が知ってるもんよ
「どっちが楽しいか」で決めなさい

小山宙哉「宇宙兄弟」5巻より

このシャロン先生のセリフ、
最初に出会った30代でも「なんて素敵な考え方なんだ!」って思ったけど、
あれから更に中年の危機の紆余曲折を経てアラフィフになった今、
このセリフの中には大切な要素が2つ含まれていることに気が付きました。
それは、

①「どっちが楽しいか」で選びなさい
⇒「正しいほう」ではなくて、「ワクワクするほう」を選ぶといい

② あなたのことならあなたの胸が知ってるもんよ
⇒  感情が自己理解の重要な手がかりになる

です。
もし、これを読んでいる方で、以前よりもなんだか頑張れなくなった、人生このままでいいのか迷っている…というようなミッドライフクライシスの方がいたら、このエッセンスはとても効くのでぜひお送りしたいです。

①「正しいほう」より「ワクワクするほう」を選ぶ

30代で読んだ時にまず共感したのがこの部分です。
私は、学生時代はかなり「これが正しい」「こうあるべき」といったものを重視して判断していたんですよね。
でも社会人になってから、それでは難しい部分も出てきて。
そもそも、人生の選択で迷ってるときは、こっちが確実に正解!なんて思えないから悩むわけで。
そんな時に「徹底的に比較して、どちらが ”より” 正しいか?」追求したりもしたけど、そんなことしても全然決まらない。それこそ日が暮れてしまう。

でも、「ワクワクするほう」は、自分の胸に聞けばいいから、すぐに選べる。選んだ後も確実にワクワクしながら進めるし、ちょっと上手くいかないことがあっても、ワクワクしながらだから乗り越えられる。

そっか、人生はワクワク基準で選んだほうが満足度は高いじゃん、
すごい、私もそうしよう!と思えたのです。

②感情が自己理解の重要な手がかりになる

そして、魔の40代を経て50代になった今、よりその重要性を感じているのは、「あなたのことはあなたの胸が知ってるもんよ」のセリフです。
ここにも、ものすごく大切なことが詰まっていました。

5年ほど前、私は人生に迷いまくっていました。
もちろん、ワクワク基準で選ぶ、というシャロン先生の言葉は忘れていたわけではありません。
でもなんだか上手くいかない。やる気も起きない。人生にワクワクしない。あれ、そもそも自分は何にワクワクするんだったっけ…?
そこからわからなくなってしまっていたんです。

この状態から中年の危機を脱するまでいろんなことを試してみたのですが、
一番効果があったのが「行動したあとに生じる自分の感情を記録する」ということでした。
私の胸の声を聞いて、それを記録したんです。
これは、「キャリアデザイン思考」から得たワークでした。

胸の声は小さいです。
楽しいことをしたその瞬間に「楽しい」とつぶやきますが、あっという間にその感情は過ぎ去ってしまいます。
あとから振り返っても正確には思い出せない。
だから、なるべくその瞬間に記録する必要がありました。
何をしている時に楽しかったか。何をしているときは嫌だったか。
何をしているときはやる気があって、何をしているときは消耗したか。
記録することでようやく、自分が何が好きなのか、得意なのか、何にワクワクするのか、が再び見えてくるようになったのです。
私はこの一連のワークは、「自分の好き嫌いセンサーを磨きなおす」作業だったな、と振り返って思います。

私たちは、日々の生活の中で、自分の感情を「抑える」ように日々訓練しています。” 好き嫌い ”という極めて主観的な反応も、表に出すべきではないとされています。
それが分別のある大人の対応だから。組織の中ではそれが必要だから。
でも、訓練され続けると、自分が何に心を動かされるのか、ということがわからなくなってしまいます。そして、自分が本当に好きなもの、ワクワクするもの、を見失ってしまうんです。
だから、大人こそ、意識して自分の感情を大切にして「好き嫌いセンサー」をしっかり磨いておくことが大切なのだ、と思い知ったのでした。

好き嫌いセンサーを活用しよう!

ワクワクするほうを選ぶために、ワクワクしているよ!と言う胸の声が聞こえる状態である必要があります。
胸の声 は、どんな専門家にも敵わない、自分だけの専属アドバイザー。
胸の声が「好き」と言ったことをたくさん選び、「嫌い」と言ったことからはそっと距離を置く。
そうした選択をしていくと、本当に自分が好きなこと、楽しいことで人生が満たされていきます。

みんなが持っている、そしてひとりひとり違う、好き嫌いセンサー。
これは私たちが人生を歩む上で、幸せな場にたどり着くための、自分専用の人生のナビゲーターですよね。

ときどき、センサーを磨いてあげましょう!

そして、見通しにくいVUCAの時代を生きる子どもたちにも、「自分の好き嫌いセンサーは自分だけのものだから、人生のナビゲーターとして大切にしてね」と折に触れて伝えたいです。

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