数十年前の、甘酸っぱさを追憶してみた〜本のひととき〜
「きみと100年分の恋をしよう」折原みと
対象は小学校中級から。
「明日をになうみなさんの心のふるさと」講談社青い鳥文庫。
手に取った理由をまずはお話しようと思う。
折原みと。
私が少女の頃、漫画家としてデビューして小説も書いていた作家。
ピンクの背表紙の文庫本を私も数冊持っていた。友達もファンで漫画の多くを彼女に借りていたっけ。
ある時、新聞に著者の新刊が紹介されていて目にとまった。
今も書き続けているんだな…と懐かしさも含めて。
新刊の舞台は「横浜市K区」だという。
横浜には18の区が存在する。K区って…もしかしたらあの区じゃないか?
縁のある土地が舞台とあって、興味がわいた。それが本書。
書店で下見し、図書館で予約した。
予約したのは昨年。人気があるようで(読んでいるのは10代の娘さんだろうが) なかなか回ってこず、今日やっと手に!
一気読み。あとがき含めて216ページ。
甘酸っぱい。
少女小説特有のキラキラした世界観。
ページをめくりながら、自分を思い出した。
いや決して自分の体験と重ねたわけじゃなく、憧れや期待で胸をいっぱいにしながら本を読んでいた10代の自分を思い出した。
私は少女マンガで育ったようなものだ。
実体験よりも知識が先行したタイプ。耳年増ともいう。
本も雑誌も読んだけど、基本が少女マンガでできていると思う。
その世界が再び!
ヒロインの胸の鼓動まで聞こえてきそうな繊細な描写。すべて一人称で語られる日々、ヒロインに自分を重ねる読者は多い。
あれから年を重ねた私でさえ、ドキドキを思い出したもの。
いくつになってもときめきは大事。
その対象は人によって違うけれど。
なんか渇いてるな〜…なんて思ったひとは、昔ドキドキした小説を読んだりして、追体験するのも良いかもしれない。
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