それは煩悩と同じ数の美意識〜本のひととき〜
「”一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき」齋藤薫
「コスメキッチン」店頭のフリーペーパーに著者のコラムが載っていた。
齋藤薫。美容ジャーナリスト。彼女の、主にエイジングに対する意識の高さがうかがえるエッセイ。タイトル通り108ある。
煩悩と同じ数…。
頭のてっぺんからつま先まで、ピンと張り詰めたイメージだった。著者近影の目力の強さにも表れているような。
でも頑なではない。
しなやかだ。
芯は通っているが柔軟。フットワークが軽い。
時は移ろうもの、と自らの変化を受け入れつつ高い位置でキープしている。
こうありたい。というかできたらいいんだろうな…。
今の私は足元で口を半開きにして彼女を見上げている感じ。
心に残った箇所をグレーの部分に引用させていただきます。
「いつかやる」は、一生やらない。40を過ぎたら、すべて”いつか"は今!
「 人生80年」なんて言われるけど、江戸の時代は隠居して寿命を迎えていた40代。
諦めたくない。いろいろな覚悟を持って人生を生きる季節に入ったんだな…としみじみ。
ただ思い立つばかりで実行にうつさないと、一向に人生は豊かにならない
上につながるような言葉。
頭でっかち気味な私は、考え過ぎて行動できなくなることがある。石橋の安全性を確認するのは大事。でも何度も叩いたら脆く崩れて渡れなくなってしまうはず。
行動の伴う人間、になりたいな。
口先だけじやなく。
人生は“楽しいことのために何かと忙しい“のが理想
「忙」は「心を亡くす」と書く。
やること山積みで、用事に追いかけられていると自分をなくしてしまう。最終的に何やってんのかわからなくなる。本末転倒。
忙しくてもそれが楽しいことなら、自分が楽しんでいるなら不思議と嫌な気持ちにならない。そこに自分がいるかどうか。
自分の日常に関心を持つこと
ついつい自分は後回し。他人の言動は気になるけれど、1日に1度くらいは自分と向かい合う時間が必要かと思う。健康面や美容面、メンタルも。
若さの代わりになるのは知性
知識豊富な人は話に奥行きがある。
経験に裏打ちされた言葉の数々。そこには年齢も性別も関係なく、魅力的なひとりの人がいるだけ。
美容エッセイにとどまらず、人生観を考えさせられた一冊だった。