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そこにあなたがあったから〜美術館さんぽ2/27〜

「富士をおもう」武蔵野市立吉祥寺美術館

萩原英雄を初めて知った。
きっかけは大好きなTV番組「わたしの芸術劇場」。録画を観たので会期内かどうかヒヤヒヤしながら。

月曜休館の美術館が多い中、こちらは「コピス吉祥寺」という商業施設に入っているためか開いていた。
2月最後の月曜日、ふらりと井の頭線に乗ってみる。

萩原英雄は山梨県生まれ。
富士山は「毎日食べる御飯のようなもの」だったという。
30代に戦争を経験し、40代には結核に罹患。
3年間の療養生活を経て木版画家になった。
葛飾北斎の《富嶽三十六景》にちなみ、
《三十六富士》を制作。
取材やスケッチに20年もの歳月を費やし、
完成までにさらに5年かかったという。
大作すぎる。

もし私が「富士山を描け」と言われたら
画用紙の真ん中に富士山を据えてしまうだろう。
彼は違った。
本展では秋から初春にかけての作品を展示している。
富士山は近づいたり遠のいたり突然現われたりした。
トンネルの向こうに、ビルの影に、田んぼの遠景に。ただそこにある、暮らしの一部。
気がつけば富士山。
御飯のようなものだと語った彼の言葉がスッと入ってきた。

色が重なり合う、木と紙の味わい。
この1枚には時間も思いも重なっている。

展示室は3つに分かれている。
浜口陽三の展示室が常設。
ここにはメゾチントの制作工程が段階を追って説明されていた。わかりやすい。
息をひそめたような繊細な作品を観ていると、私の気持ちも凪いでいく。

冬味ブレンドとイチジクとクルミのタルト

美術館のあと、お昼に野菜のフォーを食べた。吉祥寺に来るのも久々だったので散策。
アーケードの商店街を抜けて南口へ。
雑貨屋が点在していて真っ直ぐ歩けない。
散々歩き回った後で珈琲休憩した。

カップがすてき!
ソーサーと合わせると蓮の花が開いてる✨
店内で焙煎しているので香りも漂ってくるし、音楽も好み。
吉祥寺に行ったらまた珈琲を飲もう。



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